83.冬想祭 ページ5
.
それにしても……舞踏会、嫌だ。はっきり言って行きたくない。
大先生がダンスの躍り方から言い寄られたときの断り方までありとあらゆることを教えてくれたが、はっきり言って全てできる気がしない。
かといって、全てできなければ皆さんに迷惑をかけてしまう。今の私は、ただの魔女ではないのだから。
『(嫌だ、行きたくない……)』
窓辺で軽くうなだれる私を尻目に、列車はいよいよ雪深い、白銀の世界の世界へと走っていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あっという間に雪の国の大きな街まで到着した。
ut「Aちゃん、荷物持ったるで」
向こうも長旅で疲れていただろうに、そう言ってくれた大先生。私が何か言う前に、鞄の取っ手を持って私と自分の荷物を持ち上げた。
「す、すみません」
ut「ええって、それより、寒いからちゃんと着込んだ方がええで」
彼の言うとおり、列車から降りると冷たい空気がマフラーを巻いた首もとに忍び込んできた。慌ててマフラーを口元まで引き上げる。
その後、馬車でまた更に移動、日が沈む頃にようやく雪の国の首都に到着した。
魔法の国と同じようにレンガや石畳の建物が沢山ある城下町では、お祭りがあるのだろうか、きらびやかな飾り付けがあり、広場には沢山の屋台がある。
zm「A、あとで屋台巡りせえへん？」
そう目をきらきらさせて言ったゾムさん。私は少しおののきながら言った。
「……いいですけど、食害はやめてくださいね」
zm「よし、腹いっぱい食わせたるわ！」
人の話聞いてました？そのお腹いっぱいは私が満腹になるまでじゃなくてあなたが満腹になるまででは？
tn「あんまり無茶させんなよ」
zm「お？トントンも行くか？」
tn「結構です！」
何でこうもこの人たちは食害に弱いのだろうか。
gr「それにしても、えらい賑やかだな。何かあるのか？」
その質問に答えたのは、外交官としてこの国にも来ているのであろうオスマンさん。
os「
ut「冬の訪れって、こんな歓迎されるもん？」
os「まあ、歓迎はされへんな。でも、ラーチカは楽しいことが好きで、このお祭りを開かんと、怒って来年の冬をもっと厳しくするんやって」
うろ覚えやからあんまり詳しいことは説明できひんけどな、と彼は言った。……十分詳しいです。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» 全然気にせず、自分の好きなよーに書いちゃっても大丈夫ではないでしょうか？俺はどんな展開でも楽しみですよ^ ^レス失礼しました。 (2019年7月19日 22時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - ぽいぽいさん» コメントありがとうございます！実は恋愛系を書くのは苦手で、自分で自分の首を締めたことを少し後悔していたり……笑 (2019年7月19日 18時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 初コメいただきます。お話に甘酸っぱさが出てきましたね^ ^国と国との関係も、人と人との関係も、これからの発展が楽しみです。更新無理せず頑張ってください。 (2019年7月18日 21時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
