94.大切な人 ページ17
No side
つまるところの論点はこうである。
Aはゾムと鬱先生に告白されたが、そもそも恋愛感情をよく理解していない。
どちらを選ぶのか、という問題は二の次なのであって、まず恋を知らなくてはならない。
ただ、箱入り娘もかくやという彼女に、恋を完全に理解できるはずもなく。
「好きって何！？」
『(うるせぇ……)』
時折頭を抱えては、使い魔の黒猫に軽く睨まれているのであった。
「ティア、恋って何？」
「恋ぃ〜？」
彼は、あからさまに面倒臭そうな声で答えた。
「んー……。俺ら猫は、恋しないからな」
「そうなの？」
「そうだよ。たった一人の相手と一生連れ添うなんて、非効率なことやるのは人間ぐらいじゃねえか？」
「あ、そう……」
落ち込んだ彼女を見て、少しつれなく答え過ぎたか、と思った彼は、続けてこう言った。
「……まあ、あれだ。要は一番大切にしたい奴を恋人って言うんじゃね？」
「一番大切にしたい人……」
彼女は、二人を思い浮かべた。
『(私の、一番大切にしたい人)』
今までに見てきた、彼らの全てを。
『(失いたくない人)』
彼女を庇って、凶弾に倒れたときのこと。
『(苦しませたくない人)』
今にも泣きそうな顔で、銃を向けたときのこと。
『(助けて良かったと、思った人)』
ありがとう、と優しく笑った顔。
『(悲しませたくないと、思った人)』
ごめん、と自分を責めていたときの顔。
「……私は、誰を一番大切にしたいんだろう」
「そこは自分で決めるしかないな」
そう。全ては、彼女の選択である。
冬想祭まで、あと1日。
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ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» 全然気にせず、自分の好きなよーに書いちゃっても大丈夫ではないでしょうか？俺はどんな展開でも楽しみですよ^ ^レス失礼しました。 (2019年7月19日 22時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - ぽいぽいさん» コメントありがとうございます！実は恋愛系を書くのは苦手で、自分で自分の首を締めたことを少し後悔していたり……笑 (2019年7月19日 18時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 初コメいただきます。お話に甘酸っぱさが出てきましたね^ ^国と国との関係も、人と人との関係も、これからの発展が楽しみです。更新無理せず頑張ってください。 (2019年7月18日 21時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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