92.人それぞれ ページ15
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温もりが離れたのを感じてゆっくりと目を開けると、至近距離にある大先生の顔。
本当に一瞬で、触れるだけの優しいキスだった。
私は、思わず手で口元をおさえた。熱が顔に集まってくるのを感じる。鏡を見なくても分かる、私の顔は真っ赤になっていることだろう。
「だ、いせんせい……、い、今……！」
深い青の瞳が、妖艶に揺らめいた。
ut「俺の気持ち、分かって貰えた？」
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No side
ut『(……はあぁぁぁ、やばいやばいやばい！)』
「返事は考えさせてください！」と顔を真っ赤にしたAに部屋を追い出された彼は、誰もいない廊下をダッシュで走り、一番離れた自分の部屋まで帰って来たのだった。
誰もいなかったのは幸いだっただろう。この林檎のようになった顔を幹部の誰かに見られたら、死ぬほどからかわれたに違いない。
ut『(キスってあんなに緊張するもんやったっけ……)』
慣れているように振る舞った(そして実際慣れている)のだが、あそこまで動悸が収まらなかったことはない。
頬を染める彼女の顔と、唇の熱を思い出して、またさらに顔が熱くなった。
ut「乙女かよ俺……」
心臓の音がうるさかった。
ーーーーーーーーーー
zm『(……)』
彼の存在を忘れてはいけないのである。
一足先に「誘って」いた彼は、彼女がミルカを送ることの意味を理解していないことを知ると、さて、どうしよう、となったのであった。
おまけに、Aの部屋から顔を赤くして立ち去る鬱先生を目撃してしまい、心の中は暗雲たるものだ。
zm『(何で、よりにもよって大先生なんや……)』
彼も彼とて女性の扱いを心得ていない訳ではないが、やはり鬱先生には及ばない。
zm「くそっ……」
もうなりふり構わず告白するべきだろうか、いやそれは、という考えが頭の中でぐるぐると回っている。
zm『(……あぁもう！)』
フードの上からグシャグシャと頭を掻き毟った。
冬想祭まで、あと3日。
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ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» 全然気にせず、自分の好きなよーに書いちゃっても大丈夫ではないでしょうか？俺はどんな展開でも楽しみですよ^ ^レス失礼しました。 (2019年7月19日 22時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - ぽいぽいさん» コメントありがとうございます！実は恋愛系を書くのは苦手で、自分で自分の首を締めたことを少し後悔していたり……笑 (2019年7月19日 18時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 初コメいただきます。お話に甘酸っぱさが出てきましたね^ ^国と国との関係も、人と人との関係も、これからの発展が楽しみです。更新無理せず頑張ってください。 (2019年7月18日 21時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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