5話 ページ6
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記憶通りシンドバッドさんとジャーファルさんが話す一方、アラジンくんはきゃいきゃいと笛について話している。
おもむろに笛を手に取り、勢いよく息を吹き込んだ。突如現れた青くて大きな両腕に、実物はこんなにも大きかったのかと驚いた。
...あ、ジャーファルさんが飲み物を噴き出してる。
「オワー！？」
なんて大きな声でシンドバッドさんが叫ぶものだから、変にお客さんの注目を集めてしまった。
ああほら結穂が死にそうな顔してるよ、こういうの苦手だもんな。
とりあえず移動しようと、下に降りる。
むくむくと首から下までが全部出されたアラジンくんのおともだちに、興味津々といった様子でシンドバッドさんが触れていた。
「アラジン、君も"マギ"なのか...！？」
「君"も"？おじさん、他にも"マギ"を知っているのかい？」
「ああ...知っているとも。別に仲良しというワケではないがね...」
別に仲良しというわけではない。そこに何か違和感を感じたのか、それとも知っていることに驚いたのか。アラジンくんは首を捻っていた。
そして君がマギなら明かそう、と胸に手を当てて「シンドバッド」を名乗るシンドバッドさん。
私は漫画を読んで知っていたけれど、当然のアラジンくん以外に、漫画を読んでいないはるちゃんや結穂も頭上に「？」マークを浮かべていた。
えっ知らないの、とシンドバッドさんは衝撃を受けたらしい。必死に自身の伝説を語っている。いやほんとに必死だな。
冒険書なら知ってるよ！と答えるアラジンに、少しだけ嬉しそうな顔をしていた。
と思っていると、シンドバッドさんはぐるんと顔をこちらに向けてきた。
「きみは知っていたんだな、璃叶！」
「は、はい。シンドバッドの冒険書は、有名ですし...！」
「そうかそうか！うんうん！」
大人げなく喜びまくっているシンドバッドさんに、ちょっとかわいそうだと思ったので、はるちゃんや結穂にシンドバッドさんの物語を話してあげようと思った。
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作者名：綴 | 作成日時：2018年4月5日 11時
