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2話 ページ3

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「...?」


ぱちぱちと、瞬きを繰り返す。

寝ぼけた頭を目覚めさせるように、ふるふると頭を振り、軽く頬を叩く。

ようやく覚醒した頭で考えてみても、どうやらここは知らないところのようだ。

ふと視線を下にすれば、目に入ったのは白い服。ふわふわとしたそれは、見たこともない形をしていた。


「おや、目覚められましたか。」

「!?」


一体ここはどこなんだろうと考えていると、突然扉が開き、声をかけられた。

その見たことのある顔に飛び上がるように驚くと、すみません、驚かせてしまいましたね。私はジャーファルと言います。と謝罪と自己紹介をされた。

違う、入ってきたこと自体にそう驚いたわけじゃなくて。やっぱりここはマギの世界なのかと、目の前のジャーファルさんを見て思い知った。

こちらこそあんなに驚いてしまって申し訳ない、と謝ることができずに、「あ、えと、私は璃叶、です。...こちらこそすみません」なんて短い言葉でしか答えられなかった。チキンか。

人間としての常識が欠けまくった返答に、その人は大して気にした様子もなく話しかけてきた。


「あなたとあともう二人は、バルバッドへと続く道の途中で倒れていたそうです。今、体調は
如何ですか?どこか痛んだり、気分が悪かったりしませんか」

「...いえ、特に何も異常ありません。わざわざ介抱していただいたようで、ありがとうございます。」

「気にしないでください、礼ならここまで連れてきた少年たちにしてはどうでしょう?丁度、食事をしているところですので。そうそう、あなたと共にいた少女二人もいるはずです。案内しますよ。」


そうして手を差しのべるジャーファルさん。

なぜ手を?一瞬そう思ったけど、そういえば私は今の今まで眠っていたのだった。食事というのならば、恐らく1日は。


「お願いします。」


恐る恐る手を取って、ゆっくりと立ち上がる。
自分だけでこんなに知らない(仮)ひとと話したのは久しぶりだ。

とりあえず早くはるちゃんと結穂に会いたい。その気持ちだけが、私を動かした。

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作者名: | 作成日時:2018年4月5日 11時

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