第十九舞『黒き妖艶』 ページ19
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夜に輝く横浜の街。巷で噂になって居る、とある地下室。
最大にして、至高の闇
依頼ではなく、探偵社側の判断で此方に来たのだ。
驚く事にこの闇賭博場から、探偵社宛に招待状があったのだ。
これは、この賭博場を探る絶好の好機だった。
「却説、着いたね!」
太宰が伸びをしながら云った。
「あんた最悪…、絶対免許持ってないだろ…」
借りた車で、太宰が目的地まで吹っ飛ばして来たのだ。
アイザックは吐き気に襲われ、真っ青になっていた。
「私の運転捌きに感動して居るのかい?嬉しいなあ!」
アイザックは太宰を睨み付け、中指を立てた。
「…此処か」
一見、普通の家に見える建物の扉を開けると、長い階段が地下に続いて居た。
「うわぁ、如何にもって感じだねえ。さ、行った行った!」
太宰がアイザックを押し、盾にしながら階段を降りる。
「押すな」
長い階段。どれ程降りただろうか。
暗い階段だが、所々上に蝋燭が灯っていて、優しい光を放つ。
アイザックが階段を降りながら蝋燭を眺めて居ると、急に続く階段は途絶えた。
やっと着いたのだ。
しかしアイザックは、突如段差が無くなった事に驚き、危うく
転び掛けた。
その一部始終を見ていた太宰は、込み上げて来る笑いを必死に抑えていた。
「っわ…笑うなら笑えよ、くそ!」
アイザックは恥ずかしさの余り太宰から素早く距離を取り、目の前の扉を開けた。
突如、景色が明るくなった。
静かだった音は逆転、沢山の人の話し声と陽気な音楽、コインの落ちる音など…、
様々なものが聞こえた。
「ようこそ居らっしゃいました!あら、招待状をお持ちなのですね」
太宰とアイザックの目の前に現れたのは、バニーガールの衣装を纏った、綺麗な女性だった。
目のやり場に困る。そう思ったアイザックは、太宰と話して気を紛らわそうとするも、
隣に太宰の姿は無い。
「嗚呼!なんと美しい!儚く綺麗な黒兎…寂しさで死んで仕舞うのならば、どうか私と心中を…」
膝を着いて女性の手を取る太宰。
アイザックは、太宰の脳天に思い切り手刀を喰らわせた。
「あんた一人で死んどけ阿呆」
アイザックは、満面に苛立ちの表情を見せた。
女性は少々困った様子で、二人の事を眺めていた。
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要注意異能力者___内務省異能特務課より
アイザック・バシェヴィス・シンガー:身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - かれぇらいすさん» ほわ〜!!ありがとうございます!!二次創作ではどれも画像に規制がかかっており、誤字修正の際に申請通してない画像は全部消えてしまって、アッ…となりました…ヒィ...とても申し訳ないです…!あいざくんはこれからも描くので、何卒…ッ!!!! (2020年3月16日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
かれぇらいす - 久し振りに読み返してます!ところで第三十一舞のアイザ君のすんばらしいイラストはもう見れない感じですか…?私の端末だと写らない(?)のですが…(´・ω・`) (2020年3月16日 0時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» わ〜!ありがとうございます!文スト自体が流血沙汰なので回避しきれない案件です! (2019年9月27日 15時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - χCielχさん» 第一章を読み切りました。アイザックさんも、厄介な過去をお持ちですね汗。根は、レイくんににていますね。細かいところは違いますが... 。少し休憩してから、続編を読んで、いきます。余談、シエルさんの、文スト、どうしても、流血沙汰に(苦笑)。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 那佳さん» ぎえええ!?もしそうならとても嬉しいです(*´-`*) (2018年12月10日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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