第八歩 ページ8
_
「うわ、久しぶりすぎて乗り方忘れてた。カッコわり」
現在、神崎は高い上空を飛行している。魔法のホウキに乗る魔法使いと言うよりか、今は丸焼きにされる動物のような格好。
寝たきりだったからか、槍の乗り方を忘れて滑ってしまったのだ。
「よっ…と。やっぱりこっちの方がいいな」
ぐるん！と体勢を立て直し、今度は槍に立ち乗りをする。優れたバランス感覚だ。
そう言えば、昏睡状態になる前もこの乗り方だったか。思い出した。通りでしっくりくる。
「空は見つかりやすいから愚策だよなあ」
はあ、と深いため息を混じらせて、神崎はひとりでに呟く。あの場から爆豪から逃げるにはこれしかなかった。
「追ってこないか。さては想像以上に賢いね、あの子。確か名前は爆豪だったかな」
後ろを振り向いても追ってくる気配はなく、神崎は安堵して進行方向を向いた。
威力は爆豪が格上。しかし、上空での正確な機動力は神崎の方が長けている。瞬時にそれを見分けた爆豪は、次の手に出たのだろう。
＿＿＿＿瞬間。電撃の様な音がした。
神崎が慌てて音の方向に振り返れば、そこには。
「やっと、見つけましたよ！神崎先輩！」
至近距離に、青い電流を纏う…緑谷の姿。おいおい、ここは上空だぞ？そんな速さどこから出たんだ。なんて、神崎は思う。
ワン・フォー・オール、フルカウル。神崎と初めて会った一年前より、緑谷は別人のように強くなっているのだ。
「っすみません！」
神崎が驚愕している隙に緑谷は神崎に掴みかかり、街の建物の中へ共に飛び込んだ。
なぜ今謝った？と問われれば、憧れの先輩なので、乱暴にするのが申し訳ないからで。
とはいえ、神崎の飛行という手段を潰すために、建物の中での戦闘に持ち込むというのは、良き案だ。
＿＿＿＿なるほど。この子も賢い。
そう思い、神崎は口角を上げた。何せ神崎も予測を得意とする頭脳派であるので、同じような人間を見ると楽しくなる。
建物に飛び込んだ時に生じた砂塵が、緑谷と神崎の視界を眩ませる。
建物の中では即座に飛び立つ事は出来ない。神崎が選んだ策は…。
「ッ！？」
今度は、緑谷が驚いたような顔をしながら振り返る。背後斜め下辺り。人間の死角だ。
そこには、既に拳銃を緑谷に向ける神崎の姿があった。緑谷も予測していたが、神崎の判断が早かった。
「避けてくれるなよ、緑谷」
ぱん！と。銃声が運動場に反響した。
_
BASTARD to be continued＿＿＿＿？
話数ぴったりのため、ここでの挨拶で失礼します。この度はお話を読んで下さりありがとうございます。一段落したので完結と言う形になりますが、もしも続編が出来たなら、改めてお知らせ致します。それではまたいずれ、お会いしましょう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 602人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラノイロ - ヒーローにならなくても、人生は続いて行く…何ですかこの神小説は…！？ (2022年12月10日 23時) (
レス) @page50 id: a15aad9fab (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ひながきさん» ヴッ！！！！ありがとうございます…書ききってよかったです…！！ (2021年12月12日 22時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 神ですか？仏ですか？ってくらい面白かったです。 (2021年12月10日 1時) (レス) @page50 id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 冬空さん» こんにちは！！3周！？？ああああありがとうございます！！好きと言っていただけてとても嬉しくて私も発狂します((((こちらこそお付き合いくださりありがとうございました！！！ (2021年9月2日 7時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
冬空(プロフ) - こんにちは！神崎くんが好きすぎて3周目をしてたら完結コメントをしていないことに気づき、発狂しかけてる者です、、遅くなってしまいましたが、完結おめでとうございます！！ (2021年8月31日 12時) (レス) id: 01a8377650 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
