第十譚 ページ10
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保健室に相澤が入った瞬間、勢いよく白い枕が激突する。相澤は驚いたが、その枕を受け止めた。
「おいおい先公、あと五秒遅かったら殴りかかってたよ」
氷室はヘラつきながら、相澤に攻撃的な言葉を吐く。
このくたびれた黒髪の男が『相澤消太』だと知った瞬間これだ。緑谷と比べて、対応があまりにも違う。
相澤がどれだけ忙しいのか、氷室は知る由もない。知る必要もない。
「雪弥くん…！先生に物投げちゃだめだよ…！」
緑谷が氷室に注意するも、氷室はそれに聞く耳を持たない。軽く舌打ちをしてから、氷室は布団に潜り込んで丸まってしまった。
「緑谷、氷室と知り合いか？」
相澤は動じず、緑谷に近付きながらそう話しかける。持っていた枕は、布団の塊と化している氷室の頭上に置いた。
「あ、はい！小学校までは一緒だったんです。中学からは引っ越したのかな…と…」
「そうか」
相澤は、ちらりと氷室の方を見るも、氷室が布団から出てくる様子はない。痺れを切らしてしまい、布団をむんずと掴んで剥がした。
「寒っ…勝手に布団持って行くなよ、返せ布団」
「リカバリーガール。氷室の容態は？」
「シカトすんな」
華麗にスルーを決める相澤。氷室は相澤が持つ布団を引っ張るが、相澤も布団を離さない。綱引き状態だ。
相澤と氷室の綱引きを、緑谷はどうしようと見ていた。どちらかと言うと布団の心配。
布団がギチギチと音を立てていて、今にもちぎれそうなのだ。
「問題は栄養不足だけさね。他の病気の心配もない」
「そうですか。それは良かったです」
相澤はそう言うと、引き合っている布団をパッと離した。
「ちょ」
突如バランスを崩した氷室は、ベッドの向こう側まで落ちる。ドシーン！と人が床に落ちる音がした。
「ッ、てぇなコノヤロ…」
「雪弥くん大丈夫…？」
緑谷が驚いた顔をして、ベッドの上から床に落ちた氷室に向かって言う。大丈夫じゃない。
「枕を投げたお返しだよ。分かったら今度から人に物を投げるな」
相澤は少しだけ口の角を上げ、愉快そうに言った。するとリカバリーガールはハァと深い溜め息を吐く。
「今の氷室は現役より頑丈じゃあ無いんだ。あまり乱暴してやるんじゃないよ」
「すみません。まあでも生意気なやつにはこれくらいが良いですよ。調子に乗られたら困るのでね」
相澤の返事を聞いたリカバリーガールは、また溜め息を吐いたが、「程々にするんだよ」とだけ声を掛けた。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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