第四十九譚 ページ49
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＿＿＿＿綺麗な夕陽だった。
放課後。氷室は屋上に居た。仕切りを越え、一歩でも踏み出せば落ちそうな所にいる。
「はぁーあ…」
退屈だと感じた時は、いっそ死んでやろうかなと考えた事もある。でも今は退屈ではない。生きたいと思っている。
でも、単純に気になるじゃん？天国はあるのか、地獄はあるのか。人間、誰だって考えたことはあるはずだろ。
冷たい風が、氷室の純白の髪を揺らした。飛び降りなんてする気は無い。正直、雄英での学生生活ってやつは退屈しないから。
でも、死んだその先には興味がある。
「雪弥くん！！」
焦燥に駆られたその声に、腕を掴まれた。緑谷だった。考え事をしていたから気が付かなかったが、緑谷はずっと声をかけていたようだった。
腕を掴まれてやっと、氷室が振り返る。緑谷はものすごく不安そうな顔をしているし、掴む手も若干震えている。
「なーに。どうしたデク」
相変わらず笑っているようで笑っていない笑顔だが、氷室の声はいつもより優しい声だった。いつもは人を煽るように話すから、その優しい声が染みる。
「…あ、…危ないだろ、そんな所居ちゃ。こっちに来て」
「なんで？別に死のうとしてねえよ」
「お願い」
氷室が口ではそう言っても、緑谷から見た氷室は…雪のようで。すぐに溶けてしまいそうだと。そんな印象を持ってしまったのだ。
また居なくなってしまうと思った。何となく、二度と会えなくなるとさえ感じた。
緑谷の「お願い」と、それを聞くまで離そうとしない手を見て、氷室は参ったように笑い、肩を竦める。
「はいはい、わーったよ」
仕切りを乗り越え、氷室が安全な場所に下りると、緑谷はホッと胸を撫で下ろした。すると急に、氷室がガシリと緑谷の手を取った。
「すっげー傷。何したよコレ」
「え！？あ、これ…？これはその、個性が上手く使えてない時の傷で…はは、今もまだ上手く使えてないけどね」
自分の腕を掴まれた時に、見てしまった緑谷の手の傷。
「なんでここまで頑張るわけ？教えてよ」
そう緑谷に問う氷室の顔は、無表情であった。いつもへらへらとしている氷室だからこそ、その表情から切実さを感じる。
「…困ってる人を助けたい。支えてくれた人に応えたい。大切な人に、心配かけないヒーローになりたい…からかな」
『自分のため』が、ひとつもない。そんな緑谷の発言に、氷室は目を丸めた。…こんな人間が居るのか、と。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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