第三十一譚 ページ31
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伸ばされた荼毘の手。氷室はがしりとその手首を掴んだ。
真っ先に顔を見ようとする奴なんざ、そりゃあヤバい奴に決まってる。見られたらいけない気がする。
掴んだ手から、ピキピキと荼毘の体を凍結させて行った。
「炎使いだろうがなんだろうが、さっさと凍っちまえば問題ねえよ、なあ？」
愉快そうに口角を上げる氷室。氷室は自身の身体からも冷気を放った。
…しかし、荼毘にそれは逆効果だ。荼毘は個性を使う度火傷をするので、長くは戦えない。
だが…こんなふうに体全体を冷やされたらどうだ。荼毘が長く戦えてしまう。
「応急処置どうも。おかげでまだまだやれそうだ」
と、荼毘は冷静な声を放つ。氷室に掴まれている方の手から、大量の蒼炎を出す。
その蒼炎は氷室の顔の横を通り過ぎる。元々氷室の顔面に当てる気はなかった。威嚇射撃同然のことをされ、氷室は舌打ちをする。
「ビビんねえよ、舐めんな」
「声は違うがまぁ…声変わりしたのか。ガキだったもんなァ？雪男」
「知るかそんな呼び方。残念だけど人違いだよ」
「どうだろうな。俺は割と勘が良い方だ」
氷結を宿し、鉄のような硬さになった拳で、荼毘の顔面を殴ろうとしたが、氷室の拳は荼毘の手のひらでパシンと受け止められてしまう。
「＿＿＿＿膨冷熱波、ってか」
荼毘がそう呟いて、ニヤリと口角を上げる。氷室の拳と触れ合う荼毘の手から、蒼炎が溢れた。
すると…氷室と荼毘の間で爆発が起こった。即席技だったのでそこまで大きくない爆発だったが…確かにそれは轟がやるような『膨冷熱波』と同じ現象で。
「…ッ！クソ、」
氷室は嫌な予感がして身を引いて居たが、間に合わず吹き飛ばされてしまう。
空中で体勢を立て直し、上手く床に着地をする。ずざざ、と少し床を滑ったが問題ない。
目の前の荼毘は、余裕そうにゆらゆらと立ち上がる。蒼炎に照らされる荼毘の顔。顎を突き上げ、氷室を見下ろすような態度。
「はぁ〜〜、腹立つな…余裕そうにしやがって」
「そりゃ余裕にもなるだろ」
荼毘は蒼炎を氷室に向かって放つ。氷室は『豪雪』で雪の壁を作り、それを防ぐ。だがその雪の壁はすぐに蒸発してしまった。
蒸発し、辺りは霧のように視界が悪くなる。まずいな…と氷室が思った直後、荼毘にフードを掴まれて、そのまま壁に叩き付けられる。
「…ほらな。捜したぜ、氷室雪弥。相変わらずの悪巧みか？」
荼毘は氷室の顔を見るや否や、愉快そうに笑った。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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