第三十譚 ページ30
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氷室がまず向かったのはリビング。暗く、崩れた廊下を慎重に歩く。なぜリビングに向かったと言うと、リビングの方から青白い光が漏れているからだ。
こんな暗い家内の中で、不気味に青白く光っている。その正体を突き止めるべく、そこへ向かっていた。
背中を壁に付けて、そろりと壁から顔だけを覗かせる。リビングには誰も居ないが、暖炉に火がついていた。
今この家には…何かが居る。それだけは分かった。
リビングだけ…少し生活感がある。ボロボロではあるが。さすがの氷室も不穏さを感じてしまうほどだ。
普通の少年なら、怖くてたまらないこの状況。氷室も少しはそれを感じているはずだが…氷室の口角は引き攣ったように上がっている。
そっと、リビングに足を踏み入れる。
暖炉の炎は青白く光っている。リビングには長机が置かれており、恐らくここでご飯を食べていたのだろうと伺える。皿やコップが床に散乱している。
パキ、と氷室が割れた皿を踏んでしまい、音を立ててしまった。
嫌な予感がした氷室は、フードを被って完全に暗がりと同化し、机の下に隠れた。
その直後だった。…ギ、と階段を降りてくる音が聞こえた。足音はどんどんリビングの方に近付いて来る。
机の下に隠れて居るならば、こちらが先に先手を打つ事が出来る。
…誰かがリビングに入ってきた。机の下から、氷室は誰かの足だけを目で追っていた。仄暗いが分かる。靴からしておそらくは男。
男は暖炉の前で彷徨いている様子。
＿＿＿＿今だ。仕掛ける。いつだって先手が優位。
「…ッ！」
机の下から飛び出して、氷室は男に組み付いた。そしてそのまま勢いで押して倒し、男の上に跨って乗る。これで男は動けない。
「凍って死にたくなきゃ言え。あんた誰だ。何でここに居る」
氷室は手のひらから冷気を放ちながら、男の顔面を片手で覆い、言った。薄暗いもので、男の顔はよく見えない。
「…氷結の個性か。それともそれは『雪』か？」
「…あ？俺が質問してんだよ。質問で返すな。頭わりーの？」
「こっちのセリフだ。属性を考えろよ」
ブワ！！と爆発にも近い暴風と共に、蒼炎が溢れる。その蒼炎の光で、やっと男の顔が見えた。
爛れた肌を繋ぎ止めたような、痛々しいその顔が。黒い髪に、蒼い瞳をした男……荼毘だった。
圧倒的な熱気を放つ荼毘。荼毘は目の前の少年が、『人違い』で無いか確認するため、氷室のフードを取ろうと…手を伸ばした。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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