第四十五譚 ページ45
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＿＿＿＿三年前。氷室が中学一年生の頃。
事件は…夏休みに起きた。
中学受験で名門中学に入学し、氷室雪弥は文字通りの優等生。愛想もよく礼儀正しい少年であった。
正しくあれと。理想の息子であれと。両親にはずっと言い聞かされて居た。…だが、氷室雪弥にとってそれは特に苦では無い。出来てしまうから。
遅刻も、欠席もしなかった。門限だって破らなかった。
ねえ、ねえ見て。こんなに偉いんだ。理想の息子だよね？理想の生徒だよね？…その頃の氷室雪弥は、理想を全てにして生きているようだった。
そんなある日。
母親が不倫している事を知ってしまった。相手は自分が通う中学の教師だ。
たったそれだけ。世間からしたらそれだけの事。…けれども生まれてからこの日まで、理想を押し付けられて、それだけのために生きてきた少年にとって…心が崩れるには…十分すぎる出来事だったのだ。
ああ、もう抜け出したい、抜け出していいならこんな籠の中から、檻の中から、抜け出したい。退屈で仕方なかったんだ、ずっとさあ。
そんな夏休み。氷室の邸宅に、一人の犯罪者が侵入する。
それこそ『
しかし。『亡霊卿』の使者は、氷室家を殺害する気はなかった。ただとあるデータを持ってこいと命令を受けただけで。
『亡霊卿』の使者は、暗い部屋で、氷室家のパソコンに向かって作業をしている最中。…使者の後頭部に、ひんやりとした手が触れる。
『凍って死にたく無かったら、手伝ってくれる？』
それは他でもない、氷室雪弥の声だった。使者はゆっくりと両手を上げた。気配で分かる。本当に一瞬で凍らされて死ぬ。
季節は夏だ。この部屋は冷房なんてついていないのに、冷蔵庫のように寒い。
『手伝ってくれたら、欲しいもの全部あげるし、警察にもヒーローにも言わない。任務完了で故郷に帰れるよ』
さあどうする？と、氷室雪弥の凍てついた手が、使者の首に触れる。
ずっと優等生として生きて来た少年の脅し方とは…とても思えない。
『…何を手伝えばいい？』
使者の声。使者が少しだけ振り返ると…学ラン姿の少年の姿があった。…驚いた。こんな子供が、こんな脅し方をするだなんて。
『簡単だよ、誘拐してよ。アメリカに』
『…それだと君の両親にすぐバレてしまう』
『なら殺せば？』
この子供は何を言っているんだ。自分の親を殺せば？と言ったのか…？
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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