Desire４６ ページ46
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母親に関するあらゆる記憶を消されてもなお、母親とこの楽園に逃げ込んだ…いや、閉じ込められた、というのが何故分かるか。それは、無名の森の桜の存在だ。
A自身、自分の本当の力を理解している。これを使えば、自分が桜の木と化してしまう事も。この力が使えるのは…自分と、残るは概念のみ残る『母親』だけであろうと。そう踏んでいるからだ。
『母親』がどんな意図でAの記憶を消したかは、彼女にしか分かりえない。
「…たのし、かったな」
掠れた声が聞こえる。
「そりゃ…確かに、いっぱい仲間が居なくなった。だけど、もう一度…お前に会えて嬉しかった」
桜髪の青年の足元が僅かに透け、背景の青空を透かした。透ける自分の足元を見て、青年は笑う。
笑うAに対し、リヴァイは目を見開いて声を失った。これでは繰り返す。繰り返す所か、お前を救えないまま終幕を迎える。お前はただの子供に過ぎない。産まれた血筋が、たまたま『ディザイア』だっただけの、生意気な餓鬼に過ぎないんだ。と。言おうにも言葉が出ない。
どこからともなく、風に吹かれた桜の花弁が舞う。花弁は桜髪の青年を取り巻くように、宙に浮かぶ。
「…そう、だ……リヴァイ兵長、貴方に……伝えたい事が、あったんです」
今にも泣き出しそうな目の前の青年。
本当は、もっと話したかったけれど。俺の罪は消えない。俺を覚えているままでは、リヴァイは先には進めない。
お前は、自分は過ちを犯したって言ったな。「お前は何も悪くないよ」なんて言葉よりも、今のお前にとっては、そして俺にとっても、こっちの方が良いんじゃないかな。
「＿＿＿＿おい、待て！A！！」
リヴァイが声を上げた。あぁもう、なんて顔だよ。お前、そんな顔もするんだな。珍しくって、嬉しくて、つい笑ってしまった。
「…友達で、居てくれて、ありがとう」
それが今まで、伝えられそうで…伝えられなかったこと。
涙を流した青年。青年に手を伸ばすリヴァイ。リヴァイが青年に触れた先から、青年の身体は桜の花弁と化して、大量の花弁が視界を眩ます様に舞った。
花弁が晴れた時。既にそこに青年の姿は無く、ただ美しい桜の木だけが…優雅に佇んで居た。
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桜の花言葉
『高貴』『清純』『私を忘れないで』
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にゃるす。 - 真面目に泣きました…… 感動です！！こんな素晴らしい作品を作ってくださった作者様に感謝です！！ありがとうございます！！(人 •͈ᴗ•͈) (2022年6月9日 22時) (
レス) @page50 id: fbac834549 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ぴりおどさん» 節子…それ涙です…(戯れ)ありがとうございます嬉しいです…！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴりおど - 目から汗が…凄く面白かったです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page50 id: d35dddd041 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 僕さん» ありがとうございます....！！涙していただけてとても嬉しいです…！ (2021年4月30日 17時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
僕 - 感動しました。涙が止まらないです！ (2021年3月31日 9時) (レス) id: 9ca767eafd (このIDを非表示/違反報告)
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