Necromance38 ページ38
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「それで藤崎。この一連の事件は一体如何なって居る」
国木田が眼鏡を押し上げて問う。しかし藤崎は未だやる気が出ないのか、答える気が無いらしい。
「ん〜…藤崎さんな、国木田君」
話を逸らした藤崎。国木田は腕を組んで貧乏揺すりをし始める。藤崎は、あぁ、苛立って来て居るんだなあとその動作で直ぐに判った。そして楽しくて笑う。
「確かに貴様は俺より五つも上だがな!俺は貴様の駄目っぷり巫山戯っぷりを散々見たその上で貴様を敬称で呼ぶ気にはなれんのだそれにだな____」
「ロボトミー手術」
国木田の怒号を一瞬にして遮ったのは、藤崎のその一言だった。その冷静さと低い声が、言葉の正確さを物語る。
藤崎は指を口唇に当てながら話した。これは藤崎が情報を提供する時の癖だ。勿論、本人も自分の癖に気付いて居る。その白手袋の下には一体何があるのだろう。
人前で決して手袋を外さない為、誰もがそう思うだろう。
「…は、ろぼ?」
再度国木田が聞き返す。聞きなれない単語に少し戸惑った。
「精神医学では学ぶんだけど、禁忌とされた手術法なんだ。それがロボトミー手術」
見た事も無い位に真剣な表情の藤崎。何時もおちゃらけて居て、へらへらしてばかりの藤崎が。まるで偉人を目の前にして居るかの様な威厳もあった。
これが『
「えっと…それってどんな手術なんですか?」
敦が恐る恐る聞く。嫌な予感がするのだ。その手術法について。
「国木田君が藤崎さんって…いや、翔さんって呼んだら話してあげる」
にこにこと、国木田に腹の立つ視線を向ける。国木田は悔しながらも云うしか無いと判断し、こう口にする。
「ショーサン」
物凄く片言。これでは藤崎は納得しないだろうなあ…と、敦は苦笑した。が、
「国木田君がっ!翔!さんってぇ!えへへへ仕方無いなあ!お兄さんが全貌を話してあげよう!」
今ので善いのか…この人大丈夫かなあ…と、心の中でそう思った敦。
そして紙に人物の横顔をササッと描き始め、そして目玉、脳味噌も描きあげる。流石は変態画家。
「前頭葉を切除する手術だよ。簡単だ、アイスピックを上瞼の裏から刺して、そのまま脳味噌を掻き回して前頭葉を切るだけ。路上でも十分あれば出来る」
それを淡々と話した。
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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