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隷属部隊のレイと、太宰治が初めて逢ったその日から…たった数年で、太宰は宣言通り幹部に成った。歴代最年少の幹部。
太宰が直ぐ幹部になるであろう事は、ポートマフィアに居る誰もが感じて居た。
太宰が幹部に成ったばかりの時。執務室で、鴎外と太宰が向かい合って話して居た。
「おめでとう、太宰君。何か欲しい物はあるかな?何でも善いよ」
鴎外が微笑んで太宰に云う。太宰の様な並外れた頭脳の持ち主が居れば、この先の経済もきっと安定だろう。
「何時の日か約束しましたよね。痛くも無く苦しくも無く死ねる薬作ってくれるって。それで」
「えぇっ!?折角幹部になったと云うのに…他に無いのかい?」
鴎外にとって太宰は無くてはならない存在。死なす心算など、
更々無い。
「隷属部隊」
他に無いのかと聞けば、太宰は一言そう云い放った。そうして鴎外は「それなら」と、何枚か書類を太宰に見せて来た。
「この中から、好きな『隷属者』を選ぶと善い」
書類の一枚一枚に、隷属部隊に所属する『隷属者』の顔写真や名前、詳細が記載されて居た。太宰は一通り目を通すと、顔を歪ませて書類を鴎外に返した。
「居ない」
「居ないって、何がだい?」
鴎外は隠して居た。レイ・ブラッドベリの詳細が記載されて居る書類を。太宰は全て見透かす様な視線を鴎外に投げる。
「隠してますよね。だって、今ブラッドさんを所有して居るのは貴方だから。あんなに彼を遠ざけて居たのに」
「でもねえ…」
「何でも善いって云いましたよね」
ぎく、と鴎外の顔が引き攣った。太宰は薄く笑って居る。然し、太宰がこれ程までに『死ねる物』以外を欲しがるのは珍しい。
きちんと渡せない理由を述べなければ。
「あのねえ太宰君。私はやたら無闇にブラッド君を使われない様に彼を所有しているのだよ。云う事を聞かない時もあれば、加減を知らず損害が激しい。だから____」
「だからですよ」
太宰は鴎外の言葉を遮る。そして頬を釣り上げ、目の前の威厳に畏れる事無く、言葉を打ちつけるのだ。
「私が彼に…『考える力』をきちんと教えましょう。加減を考える力や、今以上に従うと云う思考。それ以外にも全てを。如何です?」
くすりと笑う。不気味な笑みの耐えない太宰。これには流石の鴎外も折れた。
「…判った。彼は、太宰君に任せよう」
彼を手軽に利用出来るなら、それ程便利な物は無いだろうから。
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ポートマフィア『隷属部隊』 隷属者No.01
レイ・ブラッドベリ:身長173cm。体重57kg。非常に強力な異能を有すが、人間の血を必要とする。大人しい印象だが、敵味方関係無く殲滅してしまう事がある。命令違反も多々ある為、扱いは困難。
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χCielχ(プロフ) - 綺弌さん» うわーーーありがとう!それにも続編が笑笑((ぉぉぉぉ楽しみにしてますっっ!! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 姫歌さん» やっと続編できましたありがとうございます…エエッいいんですか!? (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - 50話到達おめでとう〜(*’ω’ノノ゙☆パチパチ 毎日読むのが楽しみで仕方無かった!! 擬音復唱シリーズ続編の方でも楽しみにしてるね!!← 私の方もあともう少しで公開の準備が整うよ!! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 続編のお祝い小説書いていいですか(真顔) (2019年3月24日 16時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 詩歌さん» ひええええうれしいです!ふぉっ、お、乙彦さんですか超うれしいです!!彼が一番格好いい人だと私も思ってます( ˇωˇ ) (2019年3月24日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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