君の世界に、意味を与えよう。【文豪ストレイドッグス】

salvage２３ ページ23

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＿＿＿＿一方の太宰。


太宰は鴎外の命(めい)で執務室に呼ばれ、少し重そうな足取りだが最上階へと向かって居た。幹部専用の昇降機に乗り、一気に最上階へと上がる。


昇降機の上昇が止まり、扉が開く。何時にも増して冷たく暗い
空気がどんよりと漂う最上階。


肩に掛けただけの黒い外套を靡かせながら、執務室の扉の前に
立つ。コンコン、とノックを二回。



太宰が自分の名を云う前に、中の人間が「どうぞ」と声を発した。太宰の代わりに、二人の警備の黒服が扉を開ける。



太宰が一歩執務室に足を踏み入れると、執務室の気温が更に下がった様な感覚がした。




「急に呼び出して仕舞って済まないね。太宰君」



「いえ、問題ありませんよ。それで何か」




太宰は鴎外との話を簡潔に済ませようと、早速用件を伺う。すると鴎外は、「せっかちだねえ」と云う様に溜め息を吐く。そうして豪華な机に何やら小さな紙を二枚、置いたのだ。


太宰は善く見えないそれを薄目で見た。その紙が何なのか、全く見えないので仕方無く鴎外に近付く。




「米国が誇る…豪華客船のチケットさ。七日間の海の旅だ」



「豪華客船？有給か何かですか。態々有難う御座います」



「違う違う違う」




太宰が七日間を無理矢理 有給休暇に持って行こうとしたので、
鴎外はそれを必死に否定した。これは列記とした調査だ。




「…判ってますよ、米国の異能組織でしょう。最近勢力を上げている組織だ。豪華客船と関係がある。密輸もしていると聞きますし。人身売買なんて物も色々」



太宰は興味無さげに云う。汚い物でも摘む様な感じにチケットを摘み、ひらひらと煽った。



「一寸…それ高かったのだからね。雑に扱わないでくれ給え」



「近々横浜の港に来る豪華客船。このチケットはきっと枚数が限られて居る。そしてこの国の名だたる金持ちが挙って欲しがる。成程、オークションですね。この紙切れ二枚、いくらで？」



紙切れ二枚をいくらで落としたのかと鴎外に聞いた。鴎外は困った様な顔をして、眉間を摘んで再度溜め息を吐く。



「揶揄(からか)うのはよしなさい、太宰君…」



「あぁ、済みません。二枚なのは何故です？」



大体予想は付く。一枚は太宰。一枚は太宰の護衛だろう。



「中也君と一緒に行ってくれたら安心なのだけどなあ…」



「貴方はそれを本気で？」





「絶ッッッ対に嫌です。真面目に無理です。」と云う視線で、
鴎外を突き刺す様に見た。




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ポートマフィア『隷属部隊』 隷属者No.01

レイ・ブラッドベリ：身長173cm。体重57kg。非常に強力な異能を有すが、人間の血を必要とする。大人しい印象だが、敵味方関係無く殲滅してしまう事がある。命令違反も多々ある為、扱いは困難。

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