salvage19 ページ19
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本能の儘に壊した。本能に従い血を貪った。十七歳で『吸血鬼』の異能を有した少年は、もうどれ程生きたか判らない。
米国____
死ぬ事も出来ず、生きるしか無かった。
気付けば見て来た人間は老いて死に、何も無かった地には大きな建物が出来、周りの木々は広い道路に変わった。
羅府の、名も無き『怪物』。各国の異能組織が『怪物』を消すか捕らえるかしようと米国に赴き、『怪物』と対峙した。この頃は本能の儘に満足に血を吸えて居た『怪物』。彼等に勝ち目は無かった。
然し『怪物』は優しかった。
迷子の少年が居たなら空を飛んで送り届けたり、困っている人には手を差し伸べた。人々は、それが世の中を騒がせている『怪物』だとは知りもせず。
『怪物』が人を襲う時は、喉が渇いて、渇いて、理性が本能に負けて如何仕様も無い時だけだった。人々は『怪物』のその部分しか見ていなかったのだ。
____この世界に、自分が生きる意味は。
世界に、無理矢理生かされて居る意味は。
『意味を望むか、小僧』
『怪物』は、声がした方にゆっくりと振り返った。羅府の『怪物』の話を聞き、別の国から来た組織のようだった。然し少人数であり、『怪物』と戦う心算は無い様に見えた。
白い頭髪。長い髭が特徴の老男性を、黒い服に身を包んだ集団が護る様に立って居た。
『もう一度問う。意味を望むか』
『…いみを、望んでいいのか』
『怪物』が話した。言葉は通じる様だ。『怪物』は絞り出す様に訴えた。
『…いみがほしい』
『ならば与えてやろう』
老男性は、隣に居た男を見た。油断している『怪物』を、瞬時に
亜空間を操る異能者である黒髪の男が、自分も亜空間内に入り、『怪物』に近付いた。黒髪の男は、少し申し訳なさそうな表情で『怪物』を重い鎖で拘束した。
亜空間内では、黒髪の男の思い通りだ。『怪物』は抵抗が出来なかった。
鎖を付けられた途端、全身の力が抜けて行く感覚がした。そして老男性は云うのだ。
『それが貴様の意味じゃ』
…と。
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ポートマフィア『隷属部隊』 隷属者No.01
レイ・ブラッドベリ:身長173cm。体重57kg。非常に強力な異能を有すが、人間の血を必要とする。大人しい印象だが、敵味方関係無く殲滅してしまう事がある。命令違反も多々ある為、扱いは困難。
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χCielχ(プロフ) - 綺弌さん» うわーーーありがとう!それにも続編が笑笑((ぉぉぉぉ楽しみにしてますっっ!! (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 姫歌さん» やっと続編できましたありがとうございます…エエッいいんですか!? (2019年3月24日 19時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
綺弌(プロフ) - 50話到達おめでとう〜(*’ω’ノノ゙☆パチパチ 毎日読むのが楽しみで仕方無かった!! 擬音復唱シリーズ続編の方でも楽しみにしてるね!!← 私の方もあともう少しで公開の準備が整うよ!! (2019年3月24日 17時) (レス) id: 8d4a337e5e (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 続編のお祝い小説書いていいですか(真顔) (2019年3月24日 16時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 詩歌さん» ひええええうれしいです!ふぉっ、お、乙彦さんですか超うれしいです!!彼が一番格好いい人だと私も思ってます( ˇωˇ ) (2019年3月24日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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