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「疲れたぁ〜！」
ハヤシライスが完成した。太宰がふぬぬ、と伸びをしていた。然し太宰の二十倍疲れて居るのは北森だ。
「いや、疲れたのはこっちだよ。治くんが手切りそうになった時とか鍋触って火傷しかけた時とか俺生きた心地しなかったんだけど？」
北森はサラダを作っていた。ざくざくと野菜を切る音が聞こえる。勿論これ以上太宰に包丁は持たせない。
ふと、もやしの袋が太宰の目に止まった。太宰はもやしが入った袋を手に取って、こう叫んだ。
「あれ、鴻君！？鴻君がいっぱい居る！何でこんな所に…！」
太宰まで、北森をもやしだと云って来たのだ。
＿＿＿＿タン！
包丁が叩き落とされる音が響き、一瞬でしんとした空間を作り上げた。そうだった。この青年、刃物を持って居たんだった。
固まる太宰。北森の横顔を見ると、目は前髪で隠れて居て判らないが…口元が笑っている。恐ろしい程に。
「あは、何か云った？」
「な…なぁんにも？鴻君格好善いなあ！美形だねえうふふ」
太宰にそれを云われても、嫌味にしか聞こえない。時には怒った顔より、笑顔の方が怖い時もある。
北森は気にせず、淡々と盛り付けをした。「よし」と両手を腰に当てて胸を張る。
「出来たよ」
「あ、うんそうだね！」
食卓に野菜とハヤシライスを運ぶ。頂きますと云い、一口食べる。
「如何？私特製の『治くんハヤシライス』！君の為に作ったんだから感謝し給え！」
北森も手伝ったが、殆ど太宰が作り上げた物だ。今までは自分が作った物を太宰に食べてもらう事しか無く、太宰が作った物を食べたのは初めてだった。
甘かった。かなりの甘口で、本来ならば辛党の北森の口には合わない。
黙り込む北森。ハッとした様に太宰は思い出した。北森はカレーにハバネロを入れようとする程の辛党だった事に。
本来、ハヤシライスは甘口ではあるが…北森自身がハヤシライスを作る時は、自分の口に合う様に辛めの調味料を沢山入れる。
「ごめん鴻君！えっと…七味唐辛子でいいかい？」
太宰が席を立つ。青年はふるふると首を横に振った。
「おいしい、」
「え？」
誰かが、自分の為に温かい料理を作ってくれるなど…それだけで嬉しかった。それが太宰と来れば尚更。
「すごく…おいしい、このままがいい…」
ハの字に下がった青年の眉。
�犁磴�虫�瓩�。確かにね。
「うん、食べて」
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【要】注意異能力者
北森鴻：十九歳。身長167cm、体重52kg。性格、異能力共に危険性があると判明。条件が揃えば、接触せずとも相手を手に掛ける事が可能な異能を持つ。
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抹茶ラテ - ふと見つけて読んでみたら凄く面白くてなかなか長文物を読まない私でも気づいたら完結の所まで！！会話文や文構成が上手で途中感動でついうるッと来てしまう場面もありました、、！このような素晴らしい小説を書いて下さりありがとうございます！！！ (2022年12月23日 21時) (
レス) @page50 id: c4a8adec94 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 九十九天斗さん» 久しぶりにここにきました！それ故に返信遅れてごめんなさい、見つけて下さりありがとうございます！！！！！面白いといっていただけて何よりです！！ (2021年12月31日 2時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
九十九天斗(プロフ) - たまたま見つけて面白すぎてここまで読み進めてしまいました…！連載中に知りたかった… (2021年11月27日 0時) (レス) id: a6414a60a8 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 永衣さん» お返事が遅くなり申し訳ありません！！ハワ…嬉しいですありがとうございます…作品を書いていて本当に良かったです！！ (2021年10月14日 3時) (レス) @page46 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
永衣(プロフ) - 連載していたころから読んでました。ふとした時に読みたくなって戻ってきます、いつ見ても最高です！本当にありがとうございます！ (2021年9月13日 11時) (レス) id: d90c12946e (このIDを非表示/違反報告)
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