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「中也、君は此処の路地からあのビルに向かってくれ。くれぐれも、『隼』に勘付かれない様にね」
中原は舌打ちをしながらも、太宰の指示に従った。太宰の策に間違いは無いからだ。
中原には弾丸が効かない為、百発百中の
首領の命令は、『隼』の捕獲。何故マフィアを襲ったのか、裏に何が居るのかを知る為に、生け捕りにするのが理想。
然し、相手が異能力を持っている場合も考えられる。捕らえられずとも、痕跡は掴む心算で居る。
「却説…、お手並み拝見と行こうか。黒き翼」
太宰の部下数名と、幹部のナリをした捕虜が、先程 中原に指示したビルの方へ真っ直ぐ歩き出した。
すると、目の前の捕虜の男が大きくのけ反った。
断末魔の声も立てず、その生涯は一瞬にして一撃の銃弾で終わった。
どさ、と重い音を立てて男は絶命した。眉間を弾丸が貫いていた。
「掛かった。彼処のビルで間違い無い」
太宰が口角を上げた。一人の部下が、太宰の元に駆け寄った。
「太宰幹部!次の射撃が来ま」
その部下も、『隼』の弾丸で見事に眉間を貫かれる。
「矢っ張りそう来たかあ、随分と
きっと相手は、幹部であろう様な男を撃ち抜いても、余り周りの動揺が無かった事から…捕虜の男をダミーだと見抜いたのだ。
そうなれば、後は運だった。
『隼』と呼ばれた狙撃手は、スコープに捉えているマフィア全員、一人ずつ撃ち抜いて行ったのだ。
太宰の周りの部下達に命中し、次々と絶命して行く中、太宰には全く弾丸が来ない。
もはや運が無い、としか云いようが無い。
「残念、外れ。運が悪い様だね…君も、私も」
太宰は、今日こそは死ねるかも知れないと気持ちを昂らせて居たのに、狙撃手の運の無さ故に、それは叶わなかった。
太宰一人を残して、やっと私の番かと思ったが…突然銃弾の嵐が止んだ。
中原だ。
中原が、『隼』との交戦を始めたのだ。
「本っ当、空気読んでよね。あのミジンコ脳筋」
そう吐き捨て、死体の眉間を貫いて鮮血と共に地面に落ちていた、狙撃型ライフルの弾丸を拾った。
「…おや、これは実に珍しい弾丸だ。珍しいからこそ…直ぐに
特定出来るね」
太宰は顎を摘む様な仕草をし、『隼』の正体へと小さな一歩を近付けた。
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χCielχ(プロフ) - 桜月さん» 昔の作品ですが、自分でも書いててすごく楽しかった思い出があります😌キャラの濃い夢主君でしたが楽しんでいただけたようで何よりでございます!出会うことが出来て良かった作品と言っていただけて本当に嬉しいです、見つけてくれて有難うございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 北森くんと太宰さんの関係が少しせつないけれど、、でも微笑ましくて、、腹黒で太宰さんloveな素の北森くんがとっても最高でした!!本当に涙なしでは読めなくらい感動しました!このような素敵な作品や北森くんに出会うことができて本当に良かったです!大好きです!! (2021年11月18日 21時) (レス) id: 125cb29da4 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» その三人ともちろん安吾さんも北森の大事な人になっています!!北森はめちゃくちゃ意地悪な子ですへへへへ...!黒の時代のミミックと対峙した所は原作、それ以外は全てオリジナルでございます!約9割ほどがオリジナルかと思われます!続編は完全オリジナルです!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 北森くんの心を、太宰さん、織田作之助さん、中也さんの、三人でとかす物語ですね。北森くんの性格はおもぃっ切り意地悪のようですね汗。原作沿いのようですが?とりあえずハッピーエンドで続編ですね。余談?マフィアが、マリオカートで勝負って笑笑。 (2019年9月11日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 刹那さん» すすすす全て!?ありがとうございます…!こーくんですか!依存すごいですがありがとうございます嬉しいです! (2019年4月21日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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