第六十九舞『懇ろな桎梏』 ページ19
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太宰は、記憶を失う前にアイザックが書き記した冊の内容を見た。
初めは、凄く不器用な日本語で書いてあった。
＿＿＿＿ヨコハマの海の底、異能兵器『
そいつは、大型の機械。詳細は詳しくは判らない。
俺は、それを止める為に異能力を取り戻す必要がある＿＿＿＿。
それから、ポートマフィアに行って聞いた事や、異能兵器のざっとした詳細…。
ポートマフィアもそれを防ぐため、探偵社に話を持ち掛けた事等が書いてあった。
「…矢っ張り君、マフィアに行っていたのだね」
気を失い、寝台に横たわる青年を眺めた。
何時も単独行動ばかりで、頼る事を知らない。
そんな青年を、少し懲らしめてやりたくなった太宰は…見るなと云われた 四頁以降を見てやる事にした。
「見るなって云われると、そりゃあ見たくなるよね」
ぺら、と頁を捲ると、今度は達筆で綺麗な字。
慣れた様に、英語で書かれている。
太宰は面倒な顔をしながらも、英語をひとつひとつ訳して行く。
太宰は段々と訳して行く内に、何とも云えない感情に襲われた。
＿＿＿＿太宰治。
黒いワカメ頭、ヒョロい。変な奴だけど、俺の友達。ムカついたら全然殴って善い。
中島敦。
白い髪で、変な前髪だけど、凄く善い奴。目が覚めたら話し掛けろ。
国木田独歩。
眼鏡を掛けた堅物。よく怒る。太宰で困った事があったらこいつに聞くと善い。
探偵社員の全員の名前と、その容姿や長所。
だけでなく、知っているポートマフィア側の人間の名前もある。
他にも…俺はゴロツキだから強面の連中に絡まれる事があるけど、その時は軽く相手してやれ。と書いてあったり。
太宰は抑えていた口元から、思わず笑みが零れた。
ぎっしりと文字が敷き詰められた冊の、次の頁を捲ると、
急に白紙になった。
少し不思議に思った太宰は、パラパラと素早く白紙の頁を捲る。
すると、最後の頁に一言だけ何か記されていた。
「…全く」
緩んだ表情で、それを読んだ。
態々日本語に訳さずとも、判った。
記されてあったのは、
＿＿＿＿
それだけ書かれた頁。
「もう、充分だよ」
太宰は、その頁を破った。
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要注意異能力者＿＿＿＿内務省異能特務課より。
アイザック・バシェヴィス・シンガー：身長 169cm、体重 53kg。横浜のゴロツキ。非好戦的だが、気が短い。民間人に危害を加えた事例は無いが、我々は監視を続ける必要がある。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» ありがとうございます！アイザックはしかも望んでない体質ですからね…！！実はこの異能兵器、考案した奴はシンガーじゃないんですよ…さて誰でしょう…？？((激辛カレーは五分五分ですかね！！！？？ (2019年10月1日 19時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - アイザック編を、読み切りました。アイザックさんも、厄介な体質ですね汗。とんでもな異能兵器の発動で、冷や汗でしたが、なんで良かったです。余談、激辛カレー勝負の行方や、いかに!?(笑)。二人とも、口から火を吹くか!??。(笑) (2019年9月28日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - リアさん» ありがとうございました！カレーは…そうですね、二人とも1口目でギブしてそうです笑笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - カレーの勝敗気になりますwwとても面白かったです！(^^) (2019年7月4日 0時) (レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 翠柘榴さん» わーー！！ありがとうございます！見てくださったんですね…！！おっふ短気ゴリラアイザックがお世話になりました…((ひえええ勿体ないお言葉です、ありがとうございました！！！！ (2019年5月23日 0時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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