御伽噺3 ページ6
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mm「狐人族については分かった。蛇人族は何が危険なの?」
sk「蛇人族は・・・」
佐久間くんが言い澱むように言葉を濁す。
mm「なに?」
sk「・・・人を食べるって言われてる」
mm「ひとを・・・たべる?」
表紙にいた白蛇が脳内によぎり、鳥肌がたった俺は自分の腕を抱き抱えるように握った。
sk「蛇人族の存在は少し伝説化されてるんだ。実際いるにはいるんだけど、人里離れた山奥に住んでいるから会うことはほぼない」
mm「佐久間くんは会ったことないってこと?」
sk「・・・うん」
その間を少し不自然に思いながらも、深く聞きこむのは憚られて口を閉ざした。
sk「人里離れた森は危ないから、1人で出るなって言われてる」
mm「えっと、、ここは?」
sk「うん、危ないね」
mm「佐久間くん?」
sk「俺は・・・俺は探してるんだ、蛇人族を」
危険だという蛇人族を探しているという佐久間くん。
何か訳ありな様子は感じるのに、これ以上踏み込んでいいのか分からず、
俺は口を開けずにとぼとぼとその後ろをついていくしかできない。
sk「昨日さ、目黒は彼は誰どきに迷い込んだっていったでしょ?」
mm「うん」
sk「その扉を開くのも、蛇人族だって言われてる。」
mm「魔法使いみたいだ」
sk「・・・蛇人族は頭が良くて、美しいって言われてる。目力が強くて、一度目が合うとそらせなくなって、そのまま食べられちゃうんだって」
mm「でも、会えないんだよね?普通にしてたら」
sk「うん。だけど目黒は特別だから。だから絶対バレちゃだめだ、危ないから。いいね、記憶喪失。忘れてないよね?」
mm「うん、大丈夫」
佐久間くんは蛇人族に会って何をするつもりなのだろうか。
sk「ほら、村が見えてきた。あれが俺の村だよ」
mm「おお!すげえ」
ゲームの世界でしか見たことのない景色が眼下に広がっていた。
いよいよ異世界にやってきたことが現実味を帯びてくる。
sk「あと少し下れば村につくから。それまで目黒のことを教えてよ」
最後の坂道を下りながら、佐久間くんは俺のことを知りたいとそう言った。
mm「えーっと、年ははたち。好きなものはサッカーとザリガニ釣り」
sk「さっかー?」
mm「球を蹴って遊んでる」
sk「あー球蹴りかあ。俺が一番苦手なやつだ」
俺の世界の佐久間くんも球技が苦手だったなと思い出してふふっと笑ってしまう。
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勾玉(プロフ) - ミトコンドリア君さん» またまたコメントありがとうございます( ; ; )励みになります!いわだてをちゃんと出せなかったのは私の無計画な設定のせいです...現代編では活躍するように考えておりますので...!お気に入りキャラが見つかってくれていたら嬉しいです。明日から続編投稿しますね! (2021年4月25日 2時) (レス) id: c8ee31f7fe (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - 異世界編、完結おめでとうございます!ほんとにほんとに今までにないくらい好きになってしまいました!登場人物たちもほんとに可愛くて...ひかる君とだてさん気になるところですね笑さらに現代編が楽しみになってきました!次のお話も絶対読みます! (2021年4月25日 0時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
勾玉(プロフ) - ミトコンドリア君さん» 初めまして。コメントありがとうございます!初めての投稿なので読みづらいところも多いかと思いますが、手探りで進めております・・・続きを楽しみにしていただけたら嬉しいです。応援ありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: d721a78ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - ご無理はなさらず、主様のペースで頑張ってください! (2021年4月20日 22時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - 初めまして!とんでもなくハマってしまいました...!こういうファンタジーみたいなお話すっごく好きでスノも好きなのでサイコーです!これからも応援しています! (2021年4月20日 22時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勾玉 | 作成日時:2021年4月18日 19時