無気力な青年3 ページ3
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sk「びっっっっっくりしたーーー!なんだよ、おまえ誰!?」
mm「え、佐久間くん、俺だよ」
sk「はあ?俺にはこんな高身長イケメンの知り合いいないぞ」
最初はふざけているのかと思ったが、どうやら目の前の男は本当に俺の顔に見覚えがないらしい。
うーん?と首を捻りながら俺の方を見て距離をとっている。
mm「いや、佐久間くんが頭下げてくれたから俺大学入れたんだよ。覚えてるでしょ?」
sk「大学?なんだそれ」
mm「はあ?」
いまいち噛み合わない会話に、2人の間に不思議な空気が流れる。
目の前にいるのは間違いなく高校の先輩「佐久間大介」のはずなのに、
彼は俺のことを初めて見たような顔をするのだ。
sk「とりあえず・・・よく分からないけど、座ったら?」
mm「え?」
sk「なんかわかんないけど、おまえ困ってるんだろ?話きくよ」
佐久間くんであって佐久間くんでない目の前の男。
だけど、困っている人を放っておけない性格は俺の知っている大好きな佐久間くんで。
指差された切り株に腰かけると、佐久間くんは少し離れた地面に座って俺の方を見つめていた。
sk「で?なんでこんなところに1人で?」
mm「俺、さっきまで大学の図書館にいて・・・気付いたらこの森で倒れてた」
sk「うん、何言ってるか全然わかんね」
にゃはは、なんて笑い方もよく見知った佐久間くんで胸が熱くなる。
mm「俺もわかんないんだよ。でも、白蛇伝っていう本を開いたところまでは覚えてて」
sk「今、なんて?」
mm「いや、だから本を開いたところまでは・・・」
sk「その前だよ!」
佐久間くんの気迫に押されて少し体をのけぞらせる。
mm「白蛇伝?」
sk「なんでそれ・・・」
mm「佐久間くんも知ってるの?なんかさ、表紙の絵がめちゃくちゃ怖くて」
俺が本の話をしても佐久間くんは虚空を見つめて考え事をしているようだった。
雲が月を隠してあたりは焚火の灯りだけになる。
佐久間くんの表情が影で見えなくなって、俺は急に不安になった。
mm「佐久間くん、あの」
sk「なあ」
mm「なに、どうしたの急に」
sk「今は何年か言ってみろ」
mm「えっと・・・今年は確か・・・令和3年だよ」
暗闇の中、火明かりに照らされた佐久間くんの大きな双眸が俺の目を射抜くように見つめる。
sk「おまえ、異世界から飛ばされてきたな」
mm「は?なにいって」
sk「今はな、九尾75年だよ」
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勾玉(プロフ) - ミトコンドリア君さん» またまたコメントありがとうございます( ; ; )励みになります!いわだてをちゃんと出せなかったのは私の無計画な設定のせいです...現代編では活躍するように考えておりますので...!お気に入りキャラが見つかってくれていたら嬉しいです。明日から続編投稿しますね! (2021年4月25日 2時) (レス) id: c8ee31f7fe (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - 異世界編、完結おめでとうございます!ほんとにほんとに今までにないくらい好きになってしまいました!登場人物たちもほんとに可愛くて...ひかる君とだてさん気になるところですね笑さらに現代編が楽しみになってきました!次のお話も絶対読みます! (2021年4月25日 0時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
勾玉(プロフ) - ミトコンドリア君さん» 初めまして。コメントありがとうございます!初めての投稿なので読みづらいところも多いかと思いますが、手探りで進めております・・・続きを楽しみにしていただけたら嬉しいです。応援ありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: d721a78ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - ご無理はなさらず、主様のペースで頑張ってください! (2021年4月20日 22時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミトコンドリア君 - 初めまして!とんでもなくハマってしまいました...!こういうファンタジーみたいなお話すっごく好きでスノも好きなのでサイコーです!これからも応援しています! (2021年4月20日 22時) (レス) id: dfb6098aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勾玉 | 作成日時:2021年4月18日 19時