【d！】ココロ、切って繋いで結って【tn】 (ページ3)

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Episode 1 ページ3

tn side

gr「トン氏、ちょっといいか？」
tn「ん？なんやグルさん」

総統室に向かうため、廊下を歩いていると、グルさんに声をかけられた。

gr「最近忙しくて自分のことにまで手が回っていないらしいじゃないか」
tn「あー、まぁ、戦争も増えてきたし、書類やらなんやら多くてな」
gr「だから人工知能AIを取り入れようと思ってな！」

人工知能、AI、、？

tn「...は？」
gr「A、来ていいぞ」
『はい、』

A、と呼ばれた人工知能AIは機械だと思えないような透き通った肌をしており、きれいな艶のある金髪を低いサイドテールにしていた。

吸い込まれそうな紫色の瞳にはハイライトはなく、唯一驚いたことといえば、耳にピアスを開けていたことだろうか。
その上ピアスには番号が刻まれてあった。

しばらく見とれていると、澄み切った声が聞こえてきた。

『私は人工知能AI、Aと申します。ご主人さまの立派な右腕になれますよう、日々精進していきますので、これからどうぞ宜しくお願い致します。』
tn「、ん」

なんとも言えなかった。
抑揚がついてない、端的に言うと感情がこもっていない。
まぁ、機械だからそこは仕様がないのかもしれない。

tn「なんで、グルさんはA、、さんを？」
gr「Aは元々一つ前の家で色々あって返品されてしまってな、、そのままでは処分になってしまうとのことらしいから私が受けっ取ったのだ」
tn「処、分、、」

あぁ、そうか、
Aさんは生きていないから、人工知能AIだから、、不要だと思われれば捨てられてしまうのか、。

tn「そういうことか、、まぁ、Aさん、これからよろしゅうな」
『はい、次は失態を演じないよう、努めますので、』

よっぽど前の家であったことが忘れられないのか、だんだん声が小さくなっていくA。

tn「Aさん、俺はAさんのことを見放したりせんよ、だから安心しぃ」
『、！、、ありがとう、、ございます』

gr「ハッ、童貞のくせによく言えるな卜ン氏」
tn「あ”ぁん？黙って書類でもしてろや、せや甘味抜こか？」
gr「すみませんすみません」

tn「あ、せやAさん、来てすぐでゴメンなんやけどコーヒー淹れて書記長室まで持ってきてくれるか？」
『承知しました』

そう俺が言うとAさんはそそくさと総統室を出ていった。
その行動一つ一つが綺麗で惹かれてしまう。
あぁ、俺もう堕ちてもうたんかな

まさか
人工知能AIに恋するなんてな。