【短編集】それ、反則ですよ。 (ページ8)

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#14　あざといきみ。ページ8

石川さん挟みます(＞＜｡)

急に可愛い石川さん見たくなっちゃいました。

選手からのちゃん呼びに憧れてるのでちゃん呼びですが、お気に召さなかったらごめんなさい🙏

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『祐希さん祐希さん、今から私のサーブ見ててください！』ってぴょこぴょこするのは俺より6歳も年下のAちゃん。

「えー、俺忙しいからなぁ、そろそろ行かないといけないかも〜」って少し意地悪をしてみる。

『……祐希さんに見せたくてサーブたくさん練習したのに、ですか？』

俺よりだいぶ小さくて、大きくてきゅるるん、って効果音がつきそうなこの目で見つめられると、誰も何も断れないと思う、いつも。

「…嘘だよ、見ててあげる」

やったー！ってまたぴょこぴょこされると、俺の事好きなのかなって勘違いするから、やめて欲しい。

…本当はそんな彼女を見てるのが1番好きなんだけど。

じゃあいきますねー、と言って急にその場がシン……となる。体育館も彼女のサーブの前では空気を読んでいるみたいだ。

床の擦れたジャンプの音と、それの少しあとに響き渡るバン！！という鈍い音。

『……どうでしたか〜？？』ってヘラヘラしながら聞いてくる彼女はさっきとはまるで別人だ。

「すごい状態いいね、威力も強いし、体の使い方も上手……まぁいつもそうだけど」

『ほんとですか！やっぱり祐希さんに言われると1番嬉しいです〜説得力ありますし』

そっか、俺に言われたら1番嬉しいんだ、って彼女の1番が俺なのが嬉しい。

「…あ、ごめんほんとにミーティングの時間になっちゃったから、行っていいかな？」

『はい、もちろんです、今日もありがとうございました』ってにこって笑う笑顔に、いつもきゅんってさせられる。

「…じゃあね」

『はい！また今度』

やっぱり君にだけドキドキさせられてるのは悔しいなーって、俺の負けず嫌いな所が出ちゃった。

「ばいばい、A」って頬に手を添えてみた。

…少しはドキドキしてくれたかな。

『っ……反則ですよ、祐希さん…』

いつものお返し、って平然と言ってみたものの、彼女の顔も俺の顔もいつもより数段くらい赤かったのは気の所為にしておこうか。