【短編集】それ、反則ですよ。 (ページ6)

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#12　憧れの人。ページ6

それからは、毎試合前にAちゃんから『藍せんぱい、がんばれください！』ってひらがなでメッセージがくるようになった。

その度に俺は君に「がんばれ」って送るのが楽しみになってた。

その時は、俺はどうやら頬が緩んでいるみたいで、有志くんと祐希さんに何ニヤニヤしてんの、と言われてしまう。

なるべくバレないように頑張っていたけれど、やっぱり有志くんが首を突っ込んできて、Aちゃんとやり取りしてることがバレてしまった。

「ふーん……藍、お前Aさんのこと好きなの？」と突拍子もないことを言ってきた。

「え……まだ1回しかちゃんと喋ったことないし、そんな、好きとか……」

ないですよ、って言おうとしたものの、既に俺の心はあの1回の会話で満たされているみたいで、否定は出来なかった。

「……ないと思ってます」

「ふーん……まぁ、恋愛でもバレーでも大先輩である俺にいつでも相談してくれてもいいからな！！」と言って、有志くんには珍しく、すぐ俺の部屋を去っていった。

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──────それから、日本女子バレーは五輪の切符を獲得出来なかった。

6試合目のトルコに1-3、最終ブラジル戦では2-3とフルセットまで持ち込んだものの結果は敗北。

やっぱりその日、テレビで見る彼女は元気がなさそうに見えた。

本当なら、俺が慰めに行ってあげたいけど男子バレーもそろそろ五輪出場への戦いの火蓋がきられるので生憎どうにも出来ない……っていやいや、何考えてるんだ俺は。

そして男子バレー第1戦目の前日、Aちゃんから「藍せんぱい、応援してます！絶対五輪の切符取ってきてください！」のメッセージと共にうさぎのファイト〜！と書いてあるスタンプが送られてきた。

…スタンプ可愛い。俺の頬は最近緩みっぱなしだ。

よし、明日はいい所見せるぞ、勝つぞ、と普段の俺だったら思いもしないようなことを考えていて、自分でもこの気持ちの変化に驚いていた。

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藍くんとの絡みあんまりなくてすいません(ᐡ _ ̫ _ ̥`)

あと数話くらいであまあまになる予定です