【ハニーレモンソーダ】アオハル。 (ページ32)

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番外編射手矢くんと片思い歴4年目女子ページ32

2人で校舎に入って、予鈴が鳴ってしまったが誰も来なさそうな所に射手矢を連れてった。

「ちょ、あんたどこまで行くんすか」

『…あ、ごめん』

『まじで、余計なこと言わないで』

「……あんた、三浦先輩のこと好きなんでしょ」

『違うし…』

「分かりやすいっすね、今まで修羅場なんなかったんですね」

『…私はもう界くんの彼女に一生なれないから、嫉妬なんて感情中学の時に捨てたよ、一生意味の無いことしてるからね、私は』

「……三浦先輩のそばに居るのは？」

『少しでも繋がりを持ちたいから、それがないと、今度はほんとに一生話せないでしょ』

「意外と愛情深いですね」

『そんなんじゃないよ、ただただ片思いを拗らせちゃった女の末路だよこれが、反面教師にしな』

(…え？)

気付くとさっきまで私と1mの距離はあったはずの射手矢が私の真後ろにいた。

射手矢の方が背が高いから見上げる形になって、余計顔が近い。

「そんな実らない片思いしてるなら、どーせなら俺にしません？」

『…え、え、ま、ガチ？ガチで言ってる？』

すると射手矢の顔がだんだん赤くなっていった。

……え、ちょっと可愛いかもしれない、かもね。

「…あー、俺何言ってんだろ、忘れてください今の」

『いやインパクトでかすぎてね？？忘れらんないわ』

射手矢が歩き始めようとした時、思わずシャツの裾を掴んでしまった。

何したいんだろ私。

『…射手矢のこと、考えてあげなくもない、ま、また話そ』とめちゃめちゃ小さい声で言った。

こんなに小さい声で喋ったの初めてかも。

「あんたやっぱり三浦先輩の彼女より可愛いっすよ」と言い残して去られた。

…

…えー！？なに、射手矢！？？あんなキャラなの！？母性芽生えちゃうじゃんやめて欲しい。

あー、もう今日は授業集中出来ないや。

今一限の途中だし入りずらい…と重い腰を上げて教室へと向かった。