□ ページ2
春の風が心地よくて、眠いなぁくらいで界と先輩達の会話を聞いていた。
桜が満開で、散っていく綺麗さと、太陽の眩しさに少し目を細める。
隣で炭酸の音がしたのに気付いたのは、通りかかった人に炭酸がかかってから。
『おぉ…』
「え!」
「…あ」
黒い髪をした、この学校の雰囲気には少しあっていないような女の子だと思った。
「ちょっと大丈夫!?誰かタオル持ってないの!?」とあゆみ。
『タオルは持ってないでしょ、ハンカチならあるけど』
『はい』
「あ、ありがとうございます…」とだんだん小さくなっていく声。
そりゃそうだ、こんな髪色明るいやつらに急に話しかけられたらそうなるわな。
『ごめんねー、大丈夫?』
となるべく優しい感じで話すけどやっぱり焦られる。
「だっ、大丈夫です!!」
『あ、行っちゃったよ』
「なんか1人だけジャンル違うな」
『まー、ここに合うような雰囲気はしてないよね』
不思議だなぁ、なんて思いながら皆で教室に戻ろうとしたら、界が教室へ戻る道から逸れて行った。
「どこ行くの?界」
「…ちょっと用事」
「でも、もうすぐ授業…『まぁまぁ、先行ってようよ、あゆみ』
Aがそう言うならいっか…と言いながら戻る道を歩き始めたあゆみ。
授業が始まると、界はジャージを着ていた。
先生に指摘されてた、石森さん?も。
あぁなるほど、1人だけ目立たせないようにしたのか。
まー、界がジュースかけたのが悪いからな。
.
.
授業が終わって下校時間。
友哉と一緒に帰ろうと思って探すも見つからない。
さすがに面倒くさくなってきたので下駄箱に行くも、一人で帰ることがほとんどない私は寂しくなった。
『…ともや』と呟くと後ろから「なーに」と声が聞こえた。
『あ』
「帰る?」
『帰らないの?』
「…帰るよ」
『早く』
歩いている途中、腰を抱かれた。
こーゆーこと誰にでもしてるのかな。
『…誰にでもしてるの?』
「ん?」って微笑んでくるから、何となく踏み込むのは悪い気がしてこれ以上聞くのはやめておいた。
友達ずっとやってるけど未だに友哉の素性が知れない。
198人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗彩(プロフ) - 面白いので、無理しない程度に再更新して欲しいです! (2022年12月15日 21時) (レス) @page24 id: 4754d7c653 (このIDを非表示/違反報告)
リュイ - そらくーん!!!! (2022年3月31日 17時) (レス) id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - Rain。さん» これからも楽しみにしてます!!!! (2022年3月20日 18時) (レス) id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
Rain。(プロフ) - ぴよさん» 長らくおまたせしてすいません…!待っててくださってありがとうございます〜! (2022年3月20日 17時) (レス) id: 16d87e8fac (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 更新歓喜、、、(;_;)!!! (2022年3月20日 17時) (レス) @page20 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Rain。 | 作成日時:2021年10月3日 2時