黒い笑顔と包帯 ページ33
No side
今日は有給をとったA。
ずっと気になっていた喫茶店に行ったり、趣味である読書をしたり、美容院で髪を少し切ったりなど
中々に有意義な時間を過ごしていた。
そして今は 散歩をしている。
ゆったりとした白のレースブラウスに紺のフレアスカートと、清楚でありつつも 女性らしさのある服装のA。
元から容姿が整っており、今日は気分も良いために 自然と口角が上がっていた。
そして、そんなAに惹かれる男性も多いようで、
「お姉さん可愛いね〜、1人なら俺と遊ばない?」
と、今日で数回目の
正直言って、疲れた。
笑顔でやんわり断って引くのなら良いのだが、それでも執拗に声を掛けてくる者も多い。
その場合、自身の職業を明かすor逃げるor物理攻撃
の選択肢が表示される。
流石に 物理攻撃は最後の切り札だが。
「ねぇねぇ、暇でしょー?お姉さん、可愛いし 何でも買うよ?」
決め付けるな、と言い返したい処だが
初対面の他人にその態度は取れない、変に生真面目なAの性格が仇となり
結局、笑顔で断るしか選択肢はないのだった。
『いや、本当に大丈夫です…。』
「いいじゃんいいじゃん♪」
その場から去ろうとしたものの 手首を掴まれ 遮られてしまう。
Aを襲う嫌悪感。
嫌な相手に触れられるのが 此処まで気持ち悪いものなのか、少々驚きつつも 強く振り払えずにどうしようかと思考を巡らせる。
相手は一般人。
怪我をしたら 社の看板を汚す事になる。
迷惑なんて掛けたくない一心で、兎に角相手からの誘いを断り続けるが 何を言っても聞かない男に Aは苛立ちを募らせるばかり。
仕方なく、本気で振り払おうとした時
手首を掴んでいる男の 空いている手が、Aの脇腹を撫で 腰に運ばれた。
全身に走る寒気。
気持ち悪い、その一言が思考を支配した。
そんな時である。
どうしていいか頭が
「君、その子から離れ給え」
振り返った先に居たのは、光のない瞳を細める
包帯を巻いた 彼であった。
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月華(プロフ) - 月瀬さん、お久しぶりです!更新の事は気にせず、ゆっくりと休んでください!大好きな月瀬さんのお体と心方が、凄く大事ですから! (2020年1月27日 12時) (レス) id: 158c59c866 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 沙世さん» リクエストありがとうございます!ぜひ書かせていただきます! (2020年1月10日 0時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
沙世(プロフ) - 乱歩さんと特大パフェを食べる話が読みたいです。リクエスト失礼します。 (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4b11a12c3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - るをさん» 了解です! (2020年1月8日 12時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
るを - 月瀬さん» できれば中原さんの反応も見たいです。できればなので書かなくても大丈夫です。他はとくにないです。 (2020年1月8日 12時) (レス) id: 2605d8b47c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まふ | 作成日時:2019年11月1日 17時