【w.r.w.r.d.!】それでも私は(軍パロ)

※2 ページ16

｢一つだけ提案してやろう。乗るか乗らないかはお前次第だ。｣

ただただ前を向きながら淡々と話す彼は、私からしたら普段の姿を見せられているようであった。

｢今ここで殺されるか、俺の元でスパイをするか、だ。｣

｢…は？｣

｢A・ヴェルディ。お前を仲間にする。｣

…短剣突きつけられて殺されるかもしれないって時に仲間にしようって…

｢ふ、命乞いですか？｣

片腹痛いわ。

いくら私が囲まれてるからって仲間にしようなんてそんな利益のない契約なんて成立するわけない。そんなんなら自害する。
この任務は、私が生きて帰らないと駄目なんだから。

｢命乞い？そんなの現状を掴めていない阿呆がする事だ。私が言っているのは提案だと言っただろう。｣

｢その提案に乗ってメリットがあるとでも？｣

｢あるさ。お前の望むものが手に入る。｣

…さっきからこいつは何を言ってるんだろう。私の個人情報は確かに掴まれていた、けど。私が望むものなんて、誰にもわかりっこない。


｢妄言に付き合う気は更々ありませんので。ではグルッペン・フューラー…さようなら。｣

逃げればいい、躊躇っているから駄目なんだ。そう思って短剣を首に当てて引いた。
だが、気がつけば得体の知れない何かに押し倒されているではないか。

※3→←過去編-※1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す