過去編-※1 ページ15
城内に侵入するのは造作もないくらい簡単だった。
本当にこれが全戦全勝の国なのか?
確かに内部にいる自分の仲間の手助けによって監視カメラや警備の配置は把握していたからそこを通らないルートでは来ているけど…こんなにも易々と入れるなら敵だってすぐに攻められる。
オシェル国エマック国王の命令による我々国グルッペン･フューラーの暗殺計画。
幾重にも計画とスパイを送り込んだ情報収集を経て決行された今日なのに、なんだか拍子抜けだ。
着実に城の中へと進んで行き、あっという間に総統室へと着いてしまった。
資料を元に部屋の裏口から入り込み、気配を消す。
僅かに部屋が見える隙間から覗き込めば、椅子に座るグルッペン・フューラーの姿がそこにはあった。
…こんな簡単に殺されるなんて、可哀想な人。
僅かな慈悲を胸に手元の短剣を構え、一挙に頸動脈を捉えた、つもりだった。
｢！｣
囲まれている。これでは剣は引けない。
｢随分物騒なものを突き付けるな、A・ヴェルディ｣
｢！何故名前を、｣
｢知っているさ。名前も出身も年齢も身長も体重も家族構成も好みも癖も全て、な。｣
背後に立っているということもあり、表情だけは読めない、が、明らかに嘘を言っている声色ではない。
｢全て言って欲しいか？｣
｢切られたくなければ言わない方が適切だと言っておきましょう。｣
｢そうだな、現状袋の鼠だ。｣
それは私のことか、自身のことを言っているのか。
｢で、目的は？｣
｢グルッペン・フューラー。貴方のお命、頂戴致します。｣
｢そうか。俺が思うに絶対的に無理だと断言したいが、それでもやるか？｣
｢何故？｣
分かりきってはいるが、言葉だけでも威圧しなければ、負けてしまう。
｢この俺に適うとでも？｣
｢！｣
一気に放たれた殺気に怖気付いてしまった。本気で負ける気のない、圧倒的な力。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レラ - 面白かった!! (2020年5月2日 14時) (
レス) id: c77952c361 (このIDを非表示/違反報告)
あずき・FB - 初めまして、めっっっちゃくちゃ好きです！！！(唐突な告白イベ) メイドになるっていう設定も凄いそそられます…！[ps.因みに続編見れなくて何回か意識がぶっ飛びました((( あぁ…非ログ勢はつれぇよぉ…(心の叫び)] (2019年12月13日 1時) (レス) id: 8e99c8eed5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて何よりです(；A；)続編も楽しみにしていただけたら幸いです(>_<｡)またよろしくお願いします！ (2019年12月4日 20時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても続きが気になる物語です！勝手ながら、いつも更新待っています!(’-’*)♪これからの展開がとても楽しみです！ (2019年12月4日 17時) (レス) id: ccb5120fa0 (このIDを非表示/違反報告)
蒼雨茶(プロフ) - 優里愛さん» コメントありがとうございます！もうそろそろ終盤です！お付会いの程お願いします！(>_<｡)ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e407861195 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼雨茶 | 作成日時：2019年11月14日 9時
