藻掻キ抗エ ページ19
夜野 side
『……今晩は、森鴎外』
｢今晩は、Aちゃん。名前で呼んでくれないなかい？｣
『呼ぶ訳ない』
この人は苦手だ。
私を写すその瞳には 暗い闇が広がっている。
考えの、底の見えない瞳。
嗚呼、目眩がしそう。
『…私は、ポートマフィアには戻りません』
｢おや、これは心外だねぇ……｣
彼の瞳が細められる。
口角を上げ、此方を見据えるけれど……その瞳は笑っていない。
｢君に、選択肢が有るとでも…思ったのかい？｣
……嗚呼、矢張り。
分かっていたことだけれど、直接言われると意外と堪えるものだ。
｢楽しかったかい？一時の自由は…。私は心配だったよ。だって、｣
──君は光の元では生きられないのだから…。
『ッ……わた、しは……』
｢何だい？｣
『…確かに、光は合わないのかもしれない……だけど…それを、他人に決められるなんて 死んでも厭だ…！』
｢おや……それは吃驚だよ。1人で何も考えられなかった君が、こうして私に反抗するなんて｣
この人は何を考えて居るのだろう。
心配だなんて、そんな訳が無い。
組織の利益の為だけだ。
｢まぁ、良いさ。君が戻ってきてくれれば 探偵社だって無事なのだから｣
『探偵社……何故、探偵社が出てくるの』
｢当たり前じゃないか。君が来なければ、力づくで取り返す迄だよ｣
考えは甘かった。
停戦協定を結んでいるから大丈夫だと、高を括っていた。
｢待ってよ、森さーん｣
どうすれば、と考えていたその時。
夜の闇の中から間延びした声が投げかけられた。
｢おや……これはこれは｣
『…嘘、だ』
現れたのは太宰…そして
｢ふふ、勝手にウチの社員に手を出さないでよ……ねぇ、皆？｣
探偵社のみんなだった。
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月瀬(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます〜！ (2019年10月9日 17時) (
レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - 一気読みしてしまいました！とてもおもしろいです(^ー^)大変だとは思いますが更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています♪ (2019年10月9日 17時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月瀬 | 作成日時：2019年9月10日 12時
