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「あっ、中原さん。夏休みのポスター出した?」
「畑中さん。ポスター? あー。待って、今出す」
「あっ、うん!おねがいします」
夏休みの人権ポスター。
出しても出さなくてもいいヤツだが
たぶんクラスの殆どが出したと思う。
参加賞でノートがもらえるから。
そこそこ賢い進学校では、ノートの減りが速いから、ノートを買うお金が省けていい。
「あった。じゃあ、お願いします」
「ありがとう! ……みんな平等。あははっ。中原さんらしいね」
畑中さんは、私のポスターの標語を見て笑った。
そこまで笑わなくても、いいのに。
だって
みんな平等だったら、争いも何も起きないでしょ。
「畑中さんは? 何書いたの」
「私はね、携帯で調べてそのまま写しちゃった。ノート欲しかっただけだから」
「私もそうだよ」
「え?」
「ノート欲しくて、書いただけ」
「……うん。だよね!」
じゃあ、いくね。とさり気なく手を振って
私は教室からでた。
みんなおなじ。
みんな平等。
それでいい。
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作者名:そらまめ | 作成日時:2017年5月28日 10時