16.最高に歪んだ ページ18
現場が近くなってくると、銃声や人の叫ぶような声が聞こえてくるようになった。おそ松さんは不意に立ち止まり、私を降ろした。
「じゃあ、俺達はこの辺で。一松はAに任せるよ。多分このビルの中だから」
『……えっ』
「おい馬鹿なんで正面から突破しようとしてんだよ！待てこら！！」
「あっ兄さん！……ごめんね。僕達はおそ松兄さんを追いかけなきゃ」
手を合わせてウィンクをしたトド松さんは、先に走っていったおそ松さんとチョロ松さんを追って、いってしまった。
ちょっと待って、置いていかないで。
嵐のようだった。女一人置いていくなんてありえない。これは信頼されてると取っておこう。
本当にこの人たちの中から結婚相手を選んでいいのか。
『……はぁ』
そんな疑問から無意識的に出た溜息。見上げた大きなビルに私はゆっくりと足を踏み入れた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ちっ、あいつどこ行きやがった？」
「そう遠くへは行っていないはずだ！早く見つけ出せ！！あれを使われたら厄介だ！」
『……』
ビルに入るとほかのファミリーの連中が、誰かを探していた。おそ松さんの話だと多分一松さんなんだけど。
壁一枚挟んで、下っ端がウロウロしている。隙を見てビルの奥までやって来たが、一松さんは見当たらない。
……強行突破か。
私が仕方なく銃に手を掛けた時だ。
不意に口を後ろから押さえられた。
『ひぅっ……！？』
「ちっ、黙れ」
舌打ちをした声は一松さんのもの。気配が全くしなかった。ジャパニーズニンジャか。
手を離した一松さんは私を手招きで誘導して、見つかりにくそうな物陰に隠れた。
『……ご無事で』
「誰に言ってんの。余計なお世話」
フンと横を向いた一松さん。一応心配して来たのになんだか煮えきらない。
「……はぁ、いいや。ここに爆弾仕掛けたから早く変えろ」
『爆弾？』
私は問う。
「あと三分で爆発する仕掛けのね」
口元を釣り上げて一松さんは「ひひっ」と笑う。
最高に歪んだ表情で。
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社会のゴミ - オチ一松が良いです (2019年3月27日 20時) (
レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
イゾウRAVU - とっても面白いです!!これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2018年11月18日 22時) (レス) id: 0e771d3d36 (このIDを非表示/違反報告)
シヴァ - オチ、決まって無かったら、一松が良いと個人的に思っています。 続き、楽しみに待ってます！頑張ってください! (2016年8月19日 0時) (レス) id: fd37f4a3ac (このIDを非表示/違反報告)
令 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2016年3月2日 17時) (レス) id: 87c5cd9cb5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - めっちゃ面白い！！私も一松オチがいいです！笑 (2016年2月14日 21時) (レス) id: 00dfda42b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるめろ | 作成日時：2015年12月29日 20時
