魏無羨の子は不死身の無表情。【陳情令】【魔道祖師】 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:2,092 hit

助ページ14

・

魏無羨「〈目覚め世理の常術完す〉？
一体どう言う意味だろう？」

独り言のように詩を口にした魏無羨だったが、
魏Aの両眼から再び光が消え虚ろな瞳になった。

虚ろな瞳をした魏Aは座っていた身体を起こし、
立ち上がるとふらりと歩き出した。
その姿を見て魏無羨も慌てて立ち上がる。

魏無羨「えっ！魏A！？ちょっと………」

魏無羨が呼び止めるが脚を止める事無く､魏Aは雲深不知処を出て行ってしまった。

＿＿＿＿＿＿＿

雲深不知処を出た魏Aは＿＿＿＿＿＿
フラつきながら義城へ続く道の前にいた。

血の匂いが鼻をさす。匂いの方へ魏Aは向かうと、傷だらけで出血多量の男: 薛洋が横たわっていた。
虚ろな瞳で薛洋のその姿を見つめると、手を伸ばし首元にあてる。浅いが呼吸も脈もあるが危ない状態である事は間違い無かった。

重傷の薛洋を魏Aは軽々持ち上げ横抱きすると、義城の方へ早歩きしながら歩き出した。

＿＿＿＿＿＿

目覚めると＿＿＿＿＿＿
俺は見知らぬ天井を見つめていた。

全身が痛み動けずそのまま横になっていると、誰かの足音が聞こえてくる。俺は警戒をして一度目を閉じる。
が、足音は俺の近くで止まったかと思いきやこちらに近づいてくる気配を感じ目を開いた。

薛洋「何者だ！」

痛む身体を起こしながら俺は大きな声で言った。
近くにいたのは＿＿＿＿＿
漆黒の羽織を頭から被り、黒色の漢服を着たモノだった。

俺に近づいて来ようとしていたのはそのモノの手で、触る寸前で止まっていた。が、そのモノの手がゆっくりと俺の力が入らない手を掴み､痛む身体を引き寄せられた。

思わず両眼を閉じると、額に何かが当たる感覚があった。

？『発熱……正常。脈、呼吸に問題なし。心臓音……やや早め。顔に赤みあり。まだ治ってない模様。』

ゆっくりと両眼を開きながら、俺の唇とそのモノの唇まであと10センチの所で止まりながらボソボソと何かを言っていた。

俺は思わず頭から被る漆黒の羽織を引っ張ると＿＿＿＿＿＿綺麗な顔をしたモノがいた。虚ろな瞳が俺の方へ向くと、まるで闇の中にいるような感覚になっていた。