再 ページ12
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雲深不知処に着いた温寧は＿＿＿＿＿＿＿＿＿
魏無羨が〈ここ暫く藍の二の若様の所にいる〉と噂で聞いていたので、再び漆黒の羽織を頭から深く被せた魏Aを連れながら早歩きしていた。
藍忘機と酒を交わしながら飲んでいた魏無羨を見つけ、温寧は話しかける。
温寧「魏の若様！あの……！」
魏無羨「ん？なんだ、温寧。そんなに急いでどうした？」
温寧「みっ……見つけたんだ！魏の若君！」
魏無羨「何を見つけたんだ？温寧。」
尋ねる魏無羨に温寧は後ろに立つ魏Aの右手首を前に出して、背中を押すと頭から被っていた羽織をゆっくり下ろす。その容姿を見て魏無羨は酒の入っていた杯を置き、立ち上がるとゆっくり近づく。
魏無羨「魏A！？えっ………本当に……！？
俺……酔ってる？」
目の前に立つ三ヶ月前から行方不明になっていた我が子:魏Aがいる事が本当に夢のような感覚の魏無羨は自身の右頬をつねる。が、痛みが現実だと教える。
本当に目の前にいる魏Aの姿に魏無羨は抱き締める。
嬉し過ぎて涙を零す魏無羨と虚ろな眼の魏Aを優しく見つめながら藍忘機も瞳を潤ませる。
魏無羨「あぁ………
魏Aが帰って来てって………魏A？？」
虚ろな瞳している魏Aのに気づいた魏無羨は声をかけるが全く反応は無い。三ヶ月前も無表情だったが秘めた芯の強い眼をしていたが、今は虚ろな眼をしていた。
魏無羨「魏A！？魏……A………」
酒が回ったのか魏Aが帰って来た安心からか、魏無羨は立った態勢で倒れそうになった その時＿＿＿＿＿＿＿
先程まで声をかけても全く反応をしなかった虚ろな瞳を浮かべている魏Aが魏無羨の倒れてきた身体を支えた。
その行動に藍忘機と温寧は目を丸くする。
本来の魏Aが戻った？
と、思った二人だったが無表情で虚ろな瞳をしていた。
魏Aはゆっくりと自身の膝をつきながら脱力した魏無羨の身体を下ろしながら藍忘機に渡した。
魏A『はっ……はははっ…ははうえと………
ちっ……ちちちっ……ちちうえは………
わっ……わたしが………かぁならず……まもる………』
虚ろな瞳をしている魏Aはまるで壊れた傀儡のような話し方で、昔の幼い魏Aと約束した台詞をゆっくりとだが藍忘機に言った。
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作者名：十騎 幽鬼 | 作者ホームページ：
作成日時：2023年11月6日 2時
