04:直せる ページ6
貴「またあなた様ですか」
クー「またお前かよ」
その声はほぼ同時のタイミングで発され同時に終わった。
貴「破壊された場所の修復に参りました」
お辞儀をして、辺りをキョロキョロと見回し、クー・フーリンで目が止まると、ぎゅっ、と眉間にシワがよった。
クー「…んだよ。見るだけで」
嫌ってか、そう続けようとした言葉はクー・フーリンの口のなかで溶けて消えた。
というのも、Aがその柔らかくも男らしい頬に手をかけたからなのだが。
クー「な……、な、なん、だよ」
貴「…………、無茶、しないでくださいね」
するり、と頬を撫でた手でどうやら怪我を治したらしいと悟ったクー・フーリンは静かな声で謝った。
貴「あなた様もですよ」
クー・フーリンの向かいに立つ褐色の肌の男の腕をとって、指先で怪我を撫でればそれは一瞬にして消え去った。
エミヤ「………、感謝する。して、君は一体だれなのかね。俺はこのカルデアで、というよりも、フレンドで来たサーヴァントでさえも、君の姿は見たことがない」
貴「それは当然でごさいましょう。私は、この度実装された新たなサーヴァント。アルスターのキャスターと申します。どうぞ、お見知りおきを」
指で小さくスカートをつまみ、まるでどこぞの姫かのように腰を折った。
エミヤ「ご紹介痛み入る。俺はエミヤ。クラスはアーチャーだ。ここで料理長をしていてな。今このバカとすこしばかりじゃれていたところだ」
クー「じゃれるだと？なら俺はお前の相手をしてやったってとこか」
エミヤ「バカをいうな。“俺が”ランサーの相手をしたのだ」
クー「んだと！？テメェ！！」
エミヤ「やるかね？」
貴「……………やめなさーい！！！」
それまでじっとことの様子を見ていたAが叫んだので、エミヤもクー・フーリンもAを見て動かなくなった。
貴「全く！いい大人なのですからいい加減お止めくださいませ！キャスターのギルガメッシュ王がカルデアの破損、破壊があるたびに頭を痛めておられるのですよ！？」
そこで、ふぅ、と小さく息を漏らして高ぶりを押さえると、
貴「良いですか？このカルデアはあなた様方だけの物ではありません。誰かが壊せばそこには必ず直すものが存在いたします。それをゆめゆめお忘れなきように」
ため息をついて、破壊場所を確認するとそこに手をかざした
貴「ペルカナ」
光輝くそれをポォと見つめる男性二人を振り返り最後に言い放った。
貴「わかりましたか？」
と。
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円(プロフ) - 皐月さん» 有難うございます！今更新が滞ってしまっていますが、頑張って早く続きを書きますので、応援よろしくお願いします！ (2018年3月16日 14時) (
レス) id: 675346e6cf (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - とても良いです。更新楽しみにしています！ (2018年3月13日 10時) (レス) id: 6f00d46df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：円 | 作成日時：2018年1月22日 1時
