▼うどんは美味しかったけど ページ11
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「んっ、、」
「あ、起きた」
窓際の木の椅子で優雅に紅茶飲みながら本を読んでいた淳太センセイがコチラを向く。
「なぁ、お腹空かん？」
ぐぅ、
それに返事をするように私のお腹が鳴った。
「ふは、近くのうどん屋行こっか」
ぽん、と頭に手を置かれて、出掛ける支度をしてる淳太を見ながら自分の身支度をし始めた。
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連れてこられたのは、中々繁盛しているうどん屋さん。
お金持ちな淳太が行くような感じの店とはいえないけれど。
美味しそうな天ぷらの匂いに誘われて、暖簾をくぐった。
「へい！いらっしゃい！」
気前のいいおっちゃんに頼んだのはぶっかけ。
ちなみに、淳太はざるうどん。
奢ってくれるって言われたからかき揚げと、イカ天も付けた。
「超美味なんだけど、」
「ちょお待って、今どきの子って、『びみ』って言うん？」
おっさんはとりあえず無視して、美味しそうなイカ天にかぶりつく。
「あれ？淳太くん？」
その声に2人で振り向くと、ニコニコした人あたりの良さそうな人が居た。
「おぉ！照史！久しぶりやなぁ！」
照史、と呼ばれた人は私の方を見て何やらニヤニヤしだした。
「この制服って淳太くんの職場の高校やんなぁ？犯罪はやめてや？」
「「は、？」」
普通、初対面の人に向かって言う言葉じゃないのかもしれないけれど。
淳太とハモったのが可笑しかった様で、照史さんはゲラゲラと笑う。
「別に隠さんでもええねんで？付き合ってること」
「いや、俺ら付き合ってへんし」
「え、そーなん？なんや、勘違いかぁ」
なんか掴めない人だなぁと思っていると、照史さんがコチラを向いた。
「自己紹介してへんかったな、俺、桐山照史！君の名前は？」
うん。やっぱり掴めない人だな。
なんで、私の周りは個性が強い人ばかりなんだろう、なんて考えても答えは出なかった。
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作者名：ひめりんご | 作成日時：2020年4月30日 0時
