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照史side
ハンバーグの上にチーズかけろなんてまた望やろなぁと思いつつも同じものをもう一つ、小さめでって頼まれた
ふとリビングを覗くとあぐらをかく望の隣に知らん男の子。きっと新入りくん
照「はいよ!チーズハンバーグ2つお待ち!望は米も大盛りな」
望「さすがわかってる!いただきまーす!」
隣でがっつく望を見て恐る恐る手を伸ばす男の子
「あ、照史この子流星くん」
照「おぉ、よろしくな流星!」
流「コクッ」
ちょっとまだ緊張してるんかな?
お腹はへってるはずなのになかなか食べ始めへん
しばらく様子を見ていて気づいた
箸を持つ、いや握ってる。この子箸使えへんのや…
空腹に耐えられなくなったのか箸を持つのとは反対の手で鷲掴みで食べはじめた
望、A「照史…」
二人とも同じこと思ったのか俺にさり気なくスプーンとフォークを要求
照史「流星、これつかい?」
箸を使えないのはここでは恥ずかしいことなんかとちゃう、ここで箸の持ち方を覚えた子なんて沢山おる
望もその1人。これから覚えればええね
流「うん…?」
机に置いたスプーンとフォーク
それをしばらく眺めた流星は「なにこれ?」と言わんばかりの不思議な顔をした後今度は両手で鷲掴みにしてハンバーグにがっつく
望「おぉ!がっつくなぁ 笑」
きっとコンビニのおにぎりとか菓子パンばっかり与えられてたんやろう
スプーンとフォークも使えなかったか
そこまでは見抜けなかった…
その場にはなんとも言えない雰囲気に…
そんな重い空気を壊してくれたのは望やった
望「手で食べたらあついやろ!?スプーン練習してみよか!ほら、ここ持ってみ?」
望が手伝ってくれてスプーンにトライ
でもうまいことスプーンに乗せることができへん
流「できへんっ……」
明らかに落ち込む流星くんに声をかける
望「大丈夫!俺なんて10歳くらいまで箸使えへんかったから」
「確かに、まぁのんちゃんは若干覚える気がなかったってのもあるけどな?」
望「あれ?ばれてた?まぁええやん 笑」
照「おいおい 笑」
望「使えへんものはしょうがない!笑
これから覚えればええやん」
「せやでぇ。ほらここ、こうやって持ってみ?」
流「うんっ」
望、ちょっと前までは箸使えへんかったこといじられたらキレてたのに、過去のことを笑い話に変えて今では流星を励ましてくれている
知らん間に心も体も成長してたんやと思うと心が暖かくなった
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作者名:たすかば。 | 作成日時:2020年11月3日 17時