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ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
岩「ん？……もしもし」
普段滅多に鳴ることの無い教室の内線が音を立てる
岩「龍太どうした…康二が？うん、今行く」
舘「どうしたの」
岩「康二、また校門のとこから動けないみたいで行ってくるわ」
最近は1人で教室まで来ることが出来ていたが今日はどうしたものか
岩本が急いで校門へ行くと俯く康二と隣には龍太
龍「照」
岩「ありがとう龍太。康二〜？写真でも撮りに行くか？」
いつもは大体これで目を輝かせついてくるはずだが俯いたまま首を横に振った
岩「じゃあ龍太の部屋行く？」
向「…」
岩「今日はおうち帰るか…？」
向「…」
岩「教室いく？」
向「ｺｸｯ」
康二の手を取り教室までの道のりを歩く
ふと様子を伺えば俯いたまま小指を咥えていた
彼が不安な時に出る癖だ
舘「康二おはよう…大丈夫…？」
岩「ちょっと今日は調子悪いみたい」
舘「こうじ…」
岩「大丈夫だよ。康二ここ座って、ちょっとお話しようか。今日は辛い気持ち？」
向「……」
岩「康二の気持ち、教えて欲しいな」
自分の気持ちを言葉にすることが苦手な彼はこうなると黙り込んでしまう
この空気から逃げるようにタブレットを開き、課題の続きを始めた
岩「わかった。無理に聞いてごめんな、今日はどうしよっか？カメラのこと調べるのおやすみする？」
向「……やるっ」
岩「…わかった」
無理はさせたくはないが彼の意見を尊重することにした
舘「康二手伝うよ」
向「えぇ…」
岩「康二、読み上げアプリ使ったら？」
宮舘が声をかけてもアプリを使うか尋ねてもイヤイヤと首を振るばかり
極度に読字に障害がある為普段は読み上げアプリに頼っている
しかし数日前から自分で読むと言って聞かないのだ
向「うっ…」
舘「照くん！康二が…」
宮舘が心配でしばらく様子を見ていると頭を抑え呻き始めた
長時間頭をフル回転させていたため、頭痛が出たようだ
岩「頭痛い？」
向「ｺｸｯ……文字、ぐるぐるするっ」
岩「そっかいつもより文字が歪んでるんだな。目閉じてごらん楽になるから…康二？」
向「いやっ、いややっ」
舘「大丈夫…？」
少し休ませよう、そう思ったのも束の間
突然泣きながらパニックを起こした
向「いややぁっｸﾞｽｯ…んん〜」
岩「康二、大丈夫だからっ」
向「んん！いやっｸﾞｽｯいややん…せんせっ…おこるのいやっ！」
岩「ゆっくり息してごらん俺の真似して」
向「せんせっｸﾞｽｯこわいっ」
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たすかば。(プロフ) - 雪の王子様さん» 私自身この作品を作るにあたって本当にたくさんのことを学ぶことが出来ました。この媒体を通してそのように感じて頂けて嬉しく思いますありがとうございます。 (2020年9月7日 18時) (
レス) id: cd71d01d9d (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - 障害について考えさせられます。自分の正常な体は当り前ではないと改めて気づけました。これからも頑張ってください。 (2020年9月3日 6時) (レス) id: 2043479880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たすかば。 | 作成日時：2020年9月3日 0時
