40 ページ8
自分が10行程度の文章を読んでいるうちに気づけばみんな今日進むべきところまで終えている
なぜ自分だけこんなにも読み書きに時間がかかるのか障害だとわかっていてもわからない
岩「康二、少し休憩したら？」
そう声をかけられ少し休もうとした
けれどおもいとどまった
サボってる暇はない、僕は怠け者だから…
向「もうちょっと、もうちょっと」
そう自分に言い聞かせて課題を続ける
1人だけ置いていかれるのはいやだ怠けている暇はない。ただでさえ遅れているんだから
やらなきゃ
焦れば焦るほど文字はグネグネと曲がり、まるでジェットコースターに乗っているような気分になった
岩「…ぅじ、…うじ！こうじ！！」
向「っ！」
岩「近すぎ。大丈夫、大丈夫だから休憩するよ、目が悪くなっちゃう」
そう言われて初めて、自分が驚くほどタブレットに顔を近づけていたことに気づく
向「でもっ…でもっ……ｸﾞｽｯ」
岩「泣かなくていいから。な？」
結局自分だけ終わらなかった…
いつも取り残されてしまう。悔しくて悲しくて泣きたくもないのに涙が溢れ出す
次の日、みんなより早く来て少しでも進めようとした
それでもみんなに追いつくことは出来ず
追いついたと思えばどんどん追い抜かれていく
それでもやるしかない
ふっと小学校の時の担任を思い出した
毎日居残りで音読の練習や文字を書かされた
100回書くまで帰るなと言われたが自分で書いたはずの字はグネグネと曲がり目眩がした
そしてとうとう吐き出してしまった
何をしているんだと怒られ
頭を叩かれ、怠け者と罵られ
教育が足りないとオカンを怒った
音読の時間はクラス中に笑われた
担任の顔、クラスメイトの顔、声、ヒソヒソ話
鮮明に思い出してひゅっと息が詰まった
学校が恐怖の場所だったことを思いだして
また……
1人で学校に入ることが出来なくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たすかば。(プロフ) - 雪の王子様さん» 私自身この作品を作るにあたって本当にたくさんのことを学ぶことが出来ました。この媒体を通してそのように感じて頂けて嬉しく思いますありがとうございます。 (2020年9月7日 18時) (
レス) id: cd71d01d9d (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - 障害について考えさせられます。自分の正常な体は当り前ではないと改めて気づけました。これからも頑張ってください。 (2020年9月3日 6時) (レス) id: 2043479880 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たすかば。 | 作成日時：2020年9月3日 0時
