もしも願いがかなうなら

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Your side









ある日、近所のペットショップが、









突然、潰れた。









理由は、全然知らない。









めっちゃ、ショック。









重く閉まるグレーのシャッターを見るたび、

明日からの生きる希望を、失いそうになりながら、









先の見えない、退屈な毎日を過ごしていた。









去年の春に兵庫の田舎から大阪に出てきて、

約１年と３ヶ月。









初めはなんやかんやでお互いの家に遊びに行って、

うまく関係をつないでた彼とも、









入社３ヶ月目のときに、きっぱり破局。









理由は、向こうが会社内で浮気をしたから。









煮え切らない気持ちで、

毎日、友人に電話してた。









それと、同時期に、









突然、









…両親が死んだ。









２人まとめて、飛行機事故。









銀婚式を迎えたからって、

２人で旅行でもしてきたら？、とか、









ゆうた私があほやった。









兄弟のいない、一人っ子。









彼氏もいないし、家族もいない。









絶望に突き落とされた、この耐えきれない思いを、

どうにか晴らそうと通い始めたのが、









あのペットショップだった。









店先で、

初めは７匹もいた、ちっちゃいトイプードル。









だけど、成長するとともに数が減っていって、

気づけば、１匹だけが取り残されてた。









「…君も、私と一緒やね？」









１匹でも元気にしっぽをふるトイプードル。









そんな小さな存在を見て、









気づけば、自然と笑顔になってた。









そこから、日課のように、

そのトイプードルを見て、









いつか、お金に余裕ができたら、

絶対あの子を買ってあげよう、って決めてた、









のに…









「…なんでっ、」









ついに、その、トイプードルまで、いなくなった。









とことん、不幸。

不幸が過ぎる。









４月にペットショップが閉店してから３ヶ月。









常にしかばねみたいな状態で、

ひたすら仕事に励んでいたら、









今度は、とつぜん、妙な、出会いをした。









うすちゃいろの毛布にくるまって、

ペットショップの前で倒れてる、









茶色い髪の毛の、男の子。









仕事帰りで、めっちゃ疲れてるくせに、









なんか、助けてあげなくちゃ、って、









私は、自然と、身体が動いてた。





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