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Your side











目の前の彼は、さらに奇妙なことを言った。









「…本当は、小さなトイプードルですっ、
前まで、あのペットショップにいた、」









うそつけ、









そんなわけないやん。









今度こそ、呆れる。









だって、どっからどう見ても、人間でしょ?









けど、









次に続いた言葉に、









がっつり、心を動かされてる、









自分がいた。



















「…いっつもお店に遊びに来てくれる、
お姉さんに会いたくてっ、人間になりました、」



















いやいやっ、









…そんなわけない、よね?









たしかに彼は、さっき、

私の家の近所のペットショップで眠ってた。









3ヶ月前に潰れたペットショップ。









私が心の拠り所として、

通いつめてた、場所に。









そして、自分が、

そこにいたトイプードルだと言った、彼。









たぶん他にはいなかったと思う。









7匹いた中で、たった1匹残された、

私と同じ、ひとりぼっちの子。









ペットショップが潰れたのと一緒に、

どこかへいなくなってしまったはずなのに。









もしかして、私に会いに来てくれた?









いや、そんなわけないよ。









そんなわけない、って思ってるのに…









「…あっ、ごめんなさい、」









彼が私を見て、慌てて謝る。









あれ、私、泣いてるやん。









うそだと思ってんのに、

ボロボロと涙こぼしてるやん。









彼を直視できない。









そのちゃいろで、

ふわふわとパーマをあてた髪を見たら、









あの時の、トイプードルだって、

信じちゃいそうなんやもん。









「…気持ち悪い、ですよね、」









眉毛と、タレ目を、

しゅん、とさらに垂らす、彼。









涙が残ってキラキラなまつげが、

部屋の灯りで輝いてる。









「…でも、十分ですっ!
言いたかったことは、きちんと言えたんで!」









そして、彼はそう言うと、









ふにゃ、っと笑った。









会って数時間。









初めて見せてくれた、彼の笑顔。









いつもしっぽを振って喜ぶ、









あのトイプードルにしか見えなかった。









「…失礼しますっ、」









高いところから、ぺこっ、と頭が降ってくる。









そして、彼はそのまま、









家を出て行ってしまった。





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みづき - 切ないけどめっちゃ好き (2017年1月21日 20時) (レス) id: b9c1fb5521 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 良かったです(^^)これからもこの作品を読むことが出来て嬉しいです! (2016年8月17日 23時) (レス) id: 5d0a7551ac (このIDを非表示/違反報告)
ちほ♪ - やったやった!!!残してくれてありがとうございます!ワーイワーイ! (2016年8月17日 8時) (レス) id: cc749951b7 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう - 全然大丈夫です(^^)/ (2016年8月16日 22時) (レス) id: f4acbe337a (このIDを非表示/違反報告)
茉都香(プロフ) - 削除の件、たくさんコメントいただきありがとうございます。 ほんとに駄作なのですが、ひそかに残させていただきたいと思います。 ややこしいこと言ってしまいすみません。 (2016年8月16日 22時) (レス) id: 32a9738ea7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉都香 x他1人 | 作成日時:2016年8月15日 16時

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