39. ページ39
.
「おねえちゃーん！ だいき、もっとひらがなさん、かきたい！」
字を書くことにかなり興味を示してくれたのか、鉛筆を持ってノリノリのだいちゃん。
気づけば、その隣のとももちゃんと鉛筆を持っていて、結局、2人まとめて教えてやることに。
「...せやなぁ、何て書きたいかな？ 何か、好きな言葉書いてみよっか？」
私がそう言うと、瞬時に、はい！ってだいちゃんが、元気なお手手を挙げた。
「だいき、おねえちゃんのおなまえ、かくっ！」
�燹屬世辰董△�ねえちゃん、だーいすきやもん！」��
「...え、私？笑」
「ん！ ともも、かきたい、ってゆうてる！」
両腕の中で、同じ鉛筆持って、同じ顔して、にこにこと微笑んでくる、天使たち。
はぁ、なんてええ子らや。
他にも好きな言葉なんて、たらふくあるはずやのに、あえて、私なんかの名前を選んでくれるなんて。
「よっしゃ！ じゃあ、1人ずつ書くからね？」
せーのっ。
そう言って、ちっちゃいお手手を優しく包み、一緒になって書いてあげる。
だいちゃんは、やっぱ力があるから、ほとんど手伝ってなくても書けてるねんけど、
ともは、まだ可愛い力しかないから、書いてるのは、ほぼ、私。笑
でも、できた！って顔して、私を覗き込んでくるから、
「...わぁ、とも、上手やねぇ？」
頭をなでなでして、めっちゃ、褒めてあげる。
「おっ、だいちゃんも、上手にできましたっ。」
私がともを撫でてるのを見て、ちょっと羨ましそうにしてるだいちゃんも、負けないくらい褒めてあげて。
そしたら、目を細めて、嬉しそうにするの。
なんか、2人とも子猫みたい。笑
彼らと過ごして、早くも1年が近くなってきた。
初めは、だいちゃんなくては、ともの言葉なんてわからないし、
それに必死で、だいちゃんの我慢になんて、全く気づかなかった。
けど、今では、彼らの無言のメッセージも、一つ残らず、拾える気がする。
それだけ、2人との日々は濃いものだった。
大きくなったね、そう思ってまた2人を抱きしめる。
もっともっと、この生活が続けばいいのに。
永遠に、続けばいいのに...
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - はじめまして、お話を読ませていただきました！最初から一人でボロボロ泣きながら見てました。本当に素敵なお話に出会えてよかったです。あーほんとに大好きです！ (2019年4月15日 23時) (
レス) id: 735c60907d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 2度目の投稿すみません。こんな素敵なお話書いてくださってほんまにありがとうございます。と同時に感動をありがとう。 (2018年8月15日 11時) (レス) id: abcdd40783 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 読み終わった時(読んでる途中も)涙腺崩壊してめっちゃくちゃ泣いてしまいました。ほんまにこのお話に出会えてよかった。って言ったら大袈裟かもやけど、でもそんぐらい、何回も読みたくなるぐらい、感動して大好きになりました。250文字なんかじゃ伝えきれられへん。 (2018年8月15日 11時) (レス) id: abcdd40783 (このIDを非表示/違反報告)
さら - このお話前から大好きで、ずっと読んでました！改装したんですか？もう一度読みますね！頑張って下さい！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: 6858dbe52c (このIDを非表示/違反報告)
noa - 感動したしめっちゃキュンキュンしました！ (2018年3月22日 14時) (レス) id: be5b766048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉都香 | 作成日時：2016年4月16日 16時
