31. ページ31
.
「とーちゃーく！ こんにちはぁー！」
いつものスーパーに着くと、お店の人、みんなに丁寧にご挨拶をする、だいちゃん。
これは、私が教えたわけではない。
1回だけ、隣の家の人にスーパーで会った時に、私が軽く挨拶をしたのを、だいちゃんが見てて、
そっから、自然と誰ふり構わず、そうするようになっただけ。
ほんま、子どもって、大人のいろんなこと見てるよな。
自分の行動には責任を持たないとな、って考えさせられた気がする。
「あら、今日もいいご挨拶やねー？」
「あ！ おばちゃん、こんにちはぁー！」
毎回、私たちがお買い物をする際にいはる、レジのおばちゃんにも褒められ、にこにこ天使ちゃんはめっちゃ嬉しそう。
「だいちゃんも、ともも、何食べたいー？」
私がそう尋ねると、どうする？、って言わんばかりに、目を見合わす、2人。
似たようなお目目に、似たような口とんがらせて、可愛いったらあらしない。
「ともはー、かにさん、たべられへんからー。 ともな？ かにさんたべたら、かいかいなるねん！」
ちゃんと、とものアレルギーも把握してある、だいちゃん。
さすがすぎるわ、兄貴。
「...ん？笑」
そしたら、突然、ひらめいた！、って顔して、ともが、ぽん、と手を叩いた。
あのねあのねっ！、って私の服を引っ張って、教えてくれようとはしてんねんけど、
なんせ、彼の口からは言葉が出ないから、それが何か、私には伝わらない。
「んー、なんやろぉー。」
だいちゃんにも、さすがにこれはわからないみたいで、とものひらめきは迷宮入りの予感。
でも、この子たちの頭の中にある、献立のレパートリーはそう多くないはず。
考えろ、考えろ......
「...あ！」
すると、私はあることを思いだした。
「とも！ お料理本に載ってたやつ！？」
最近、彼に買ってあげた、お料理本の存在を。
いつも、よく眺めてるから、もしかしたらその中に、食べたい、もしくは、作ってみたいものが、あったのかもしれない。
「そう？ おねえちゃん！ そうやって！」
そう思って、だいちゃんに確認を取ってもらえば、見事、予想的中。
その料理本を確認しに、3人で本売り場へ向かった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - はじめまして、お話を読ませていただきました！最初から一人でボロボロ泣きながら見てました。本当に素敵なお話に出会えてよかったです。あーほんとに大好きです！ (2019年4月15日 23時) (
レス) id: 735c60907d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 2度目の投稿すみません。こんな素敵なお話書いてくださってほんまにありがとうございます。と同時に感動をありがとう。 (2018年8月15日 11時) (レス) id: abcdd40783 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 読み終わった時(読んでる途中も)涙腺崩壊してめっちゃくちゃ泣いてしまいました。ほんまにこのお話に出会えてよかった。って言ったら大袈裟かもやけど、でもそんぐらい、何回も読みたくなるぐらい、感動して大好きになりました。250文字なんかじゃ伝えきれられへん。 (2018年8月15日 11時) (レス) id: abcdd40783 (このIDを非表示/違反報告)
さら - このお話前から大好きで、ずっと読んでました！改装したんですか？もう一度読みますね！頑張って下さい！ (2018年4月8日 18時) (レス) id: 6858dbe52c (このIDを非表示/違反報告)
noa - 感動したしめっちゃキュンキュンしました！ (2018年3月22日 14時) (レス) id: be5b766048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉都香 | 作成日時：2016年4月16日 16時
