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「結構、いっぱい買ったねー。」
結局、家族の分やら自分の分やら、
そしてお揃いの可愛いキーホルダーを買えば、
彼の手に荷物もいっぱい、
そして辺りも真っ暗になっていた。
「あれ、『電車何分発やったっけ?』
ねぇ、大毅…大毅?」
まさかの彼が三度目の迷子、
には、さすがなってなかったものの、
かなり暗くなった外に完全に動揺して、
私の手話に反応してくれない状態。
ちょっと辺りを見渡せば、
街灯が煌々と輝いているっていうのにね。
「どこにビビってんねん、ほんま。笑」
そういう時は、昔から手を繋いであげる。
無理やり手を取って、ぎゅっときついぐらい。
そして、腕が触れ合いそうになるまでくっついて。
これが安心するねんて。
恥ずかしそうにしながらも、
嬉しいのがにじみ出てて、こっちも…ニヤける。
「『荷物、半分持つよ?』」
…大丈夫。
「ん? …あぁ、大丈夫って?
『でも重いやろ? 半分もらうで?』」
…いい、!
そのおかげで両手が塞がったからか、
彼がふと珍しく、声を聞かせてくれた。
やっぱり聞き取りにくいのには変わらなくて、
それは仕方ないけど、
私的には新鮮やから、ちょっと得した気分になる。
「ふふっ、じゃあ『お願いしまーす。』」
だから結局は、彼の声が聞きたいだけの私が、
ひたすら喋り倒しながら、駅まで歩いた。
「電車来るよ?」
帰りは私たちと同じように遊園地帰りの人で電車が混み、
恥ずかしくも彼に守られながら、どんどん地元へ。
でも、地元まで行けばもう電車もガラガラ。
その余裕さから、
私も知らん間に寝てしまってたみたいで、
「…ん、?」
頭を触られる感覚で、目が覚めた。
「『どした?』」
人が少なくなってきたからって甘えてきたのか?
そう思ったのも一瞬で、
結局は、やっぱりな、と思うオチで、
デート全体が締めくくられることとなる。
『…駅、過ぎた。笑』
「……うそやろ、笑」
でも、なんやかんや面白いから、また一緒にデートしたい。笑
(END)
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のこのこ - しげかっこよすぎてやばいです! (2019年2月9日 1時) (レス) id: d9bf996457 (このIDを非表示/違反報告)
恋夏 - 最高!!2人が結ばれて本当に良かった (2018年7月15日 13時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)
こっこ(プロフ) - 大大大好きな作品だったのでAfterすごく嬉しかったです。素敵な作品をありがとうございました。もっとこのふたりを見たいのでまた続編期待してます!! (2017年6月13日 13時) (レス) id: cbfa499980 (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - Afterまであって嬉しいです!重岡くんと主人公ちゃんにほっこりしました。 (2017年6月13日 0時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - 前に途中まで読んでいたのを思い出しました。大毅くんは優しくて思いやりがあって素敵ですね。幼馴染の2人の関係性に微笑ましさも感じました。好きな作品です! (2017年1月18日 1時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 x他1人 | 作成日時:2016年8月27日 18時