通訳さん

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Daiki side











部活の休憩中。





あまりの暑さで水道に頭ごと突っ込んでると、1階の廊下を歩くAを見つけた。











お団子頭をしてる。





あれは、今日体育の授業があった証拠。





俺でさえも割りかしレアに感じるAの姿に、思わず胸が躍った。









さらに、よく見ると、









Aは、なんやら目線を左右に動かしてる。









なんか、落としもんでも探してるみたいに。









髪からしたたる水を、思いっきりタオルで拭く。









そして、タオルを首にかけ、









おどかせてやろうと、Aの元に駆け寄った。









のだが、









それより、









ある目につく光景を、俺は発見してしまった。









女子３人組。









顔を見合わせて、クスクス笑ってる。









さらには、指まで差して。









その指の先にあるのは、









まぎれもなく、Aの姿。









なにしてんねん。









そう思った俺は、









咄嗟にホワイトボードに文字を並べ、









ひそひそとする彼女たちに、差し出してやった。









【何してるん？ Aになんか用？】









よく見たら、その中の１人は、









数日前の音楽室の子。









俺を見て、かなり驚いてる。









ふと、彼女の手に持ってるものが目に入った。









それが何かわかった瞬間、

俺の感情は爆発した。









【そのスリッパと体育館シューズ
Aのやんな？】









どう見たって、四ノ宮って書いてる。









【何がしたいん？】









書いて、というように、

ホワイトボードを渡しても、









３人は、何も書こうとしない。









【何もなかったら返したれ。
見てたやろ？ 探してるやん、あいつ。】









その代わりに、俺がそう書き示したら、









渋々といった表情で、その場を動いた。









様子を見ていた。









ちゃんと返してんのかな、って。









そしたら、ちゃんとロッカーに向かって行ってた。









Aのところに、乱暴やけど、戻してくれて。









そのまま、彼女たちは、去って行った。









と、同時にその場所に見つけた、

１人の小さな影。









まぎれもなく、Aやった。









なんか、呆然としてるように見える。









すぐさま、俺は、









その場に駆け寄った。





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