16、山荘包帯男殺人事件 ページ16
ちょうどその話が終わったタイミングで、キッチンに入ってきた太田さんと角谷さん。角谷さんは無類のカメラ好きらしく、カメラを常に回しているような変わり者らしい。
夕飯の匂いを嗅ぎつけてきたんだろう。
今日はロースカツ。なかなかいい出来だと思う。
リビングのテーブルに配膳が済み、吹き抜けになっているリビングの2階にいた高橋さんを下へ呼ぼうと声を掛けた時。
「…ん?だ、誰だお前は!!」
「どうした?高橋」
「誰か居るんだよ!下の窓のそばに!!」
高橋さんがおおきた声を上げる。それに太田さんが冷静に返す。
……なんや、よう発見する人やなぁ…
毎回、この人やないか?包帯男の話題持ち出すん…
高橋さんに言われた窓に目を向ける。
「っ!!!」
ヒラヒラと漆黒のマントを靡かせて、真っ赤なチューリップハットを被った包帯だらけの男。
その男が、窓の外を、瞳孔が開ききった知佳子さんを抱えて物凄いスピードで走り去った。
角谷さんが真っ先にその窓を開ける。
「知佳子ォ!!!」
しかし、当然のようにもうそこには知佳子さんも、包帯男もいない。
真っ先に飛び出したコナンくん。
その後に男性陣が続いた。
ウチらは太田さんに言われたとおりに、鍵を閉めて別荘に引きこもる。
「えっ!?知佳子が!?」
彼らが戻ってから聞かされたのは、知佳子さんが殺害された、ということだった。
……事件のことはよく平次から聞かされてたけど…
生で見るんは、初めてや…
一瞬やったから詳細は分からんかったけど…
「……A姉ちゃん、気分悪いなら…部屋で休んでる…?」
「……けど、」
新一くんの真剣な目を見て、ウチのことを心配してくれてるのがよく分かる…
部屋で、休みたい気もある、けど…
「……今は…1人にはなりたくない、かな…」
「……そうだよね、」
「とにかく、この事は早く忘れて寝ちまおうぜ?」
太田さんのこと一言で、今日は早く眠る事になった。
蘭ちゃんと園子ちゃん、コナンくんと一緒に別荘の戸締りをして回る。
「よし、これで玄関はオッケーよ」
園子ちゃんが玄関の鍵を閉めていると、コナンくんが下駄箱を開けて、知佳子さんのスリッパがないと言った。
外で殺害され、遺体は靴を履いていたのだから、知佳子さんが脱いだスリッパがあるはずだ、と。
「ねえ、この別荘、他に出口とかないの?」
「あ、あるわよ、裏口が…」
「裏口?」
コナンくんの一言で、裏口へ行く事になってしまった。
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みるくストロベリー - 遊星さん» 私もそう思います。面白いのに...続き読みたい...!! (2020年8月22日 12時) (レス) id: 97e84ae721 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2019年12月14日 20時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華威緋羅 | 作成日時:2019年12月14日 1時