言の葉の呪い【SLAM DUNK】 (ページ12)

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「いい？私が泣いたってこと、言ったら怒るからね」

「言わないよ」

「ソーちゃんに言ったら絶交だから」

「だから言わないって」

涙で腫れた目元は夕日で赤く染まる。
ゴシゴシと拭ったその目元はきらりと光っていた。

〈これ、お母さんが男の人に貰ってたの、盗んできたの。〉

〈大人の人はね、耳に穴を開けて、コレを付けるんだって〉

ピアス

『Aにはまだ早いさ』

ソーちゃんはいつもそういって言いたくない事を誤魔化すの。そういって海に連れ出してくれないの。
私にはまだ早いって、そういうの。

だから

「私はもう、子供じゃないんだから」

針で耳に穴を開けてやった

「…綺麗」

リョータがボソッと呟いた

耳でキラキラと輝くピアス

ピアスが私を大人にしてくれる

あんな痛みを我慢出来るんだから、私はもう子供なんかじゃないのよ

「アンタにはまだ早いよ。
まだ子供なんだから」

「俺を子供扱いすんなっ！」

ソーちゃんに言われた事を、今度は私がリョータに言った。

ブスくれたリョータを見ていると、ソーちゃんにも私がこんな風に見えてたんだなって

「開けたいの？」

「うん」

「私の真似したいわけ？」

ピアスを開けた私を間近で見ていたというのに、耳から血を流し涙をポロポロと流した私を間近で見たっていうのに。

馬鹿じゃないの

「だいたい男の人がピアスなんて変なんだからね」

リョータに付き合わせたのは真似してほしかったわけじゃ無い。
ただ誰か承認者が欲しくて、見てもらってないとせっかくの決意が折れそうで、強がっていたかったから、
それでリョータならって思っただけ

「…マイケル・ジョーダンがしてるから、俺もする」