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私はぎこちない歩きをして、椅子に座っている部長の方へ向かう。
私「何か、ご用でしょうか？」
部長「今日は、神崎君に、大事な話があるんだが、聞いてくれるかな？」
私「・・・はい。」
立ったままでは悪いから、と来客用の小さなソファに座らされる。
部長「無理に、とは言わない。」
私「はい。」
部長「ドイツに、行って、仕事をしてみる気はないか？」
私「・・・え。」
ドイツ、に・・・？
部長「まあ、そんな反応だと思ったよ。無理しなくていいんだ。」
部長は苦笑いして、言葉を続けた。
部長「上のお偉いさんがね、ドイツ支所に誰でもいいから日本人を１人移させて、もっとヨーロッパで、日本の事を記事にしてみるのはどうかと、いきなり言い出したんだ。」
私「そう、ですか。」
部長「これまで、いろんなヤツにこの話しを持ちかけているんだが、やっぱり断られてね。最後が君なんだよ。行く気、無い？」
げっそりしたように、部長は心配そうに聞いてきた。
口を開く。
私「・・・行きます。ドイツに。」
部長「ほ、本当か！？本当に行ってくれるんだな！？」
私「はい。」
部長「よし、頑張ってくれ！！」
部長はガッシリと私の手を握った。
嬉しそうにする部長を見て、愛想笑いを浮かべるが、心の中は、バクバクだった。
(遊びじゃなくて、ドイツに行く・・・。異国の土地で、普通に暮らせるんだろうか。
篤人には、会えるだろうか？)
部長室から出ても、緊張はほどけなかった。
(ドイツに、行く。私なんかが行ってもいいのだろうか？)
篤人の事をどうしても、思い出してしまう。
＜来れば、いいじゃん。＞
彼なら、こう言って、応援してくれるだろうか。
いや、応援してくれなくても、私は行ってみせる。
不安は、大きな自信へと変わる。
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まどちね(プロフ) - ありがとうございます（泣） 絶対、読者様が満足してもらえるよう、頑張ります！ (2014年7月2日 7時) (
レス) id: 1241e6d3a9 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 面白かったです。中学生なんてびっくり。文章力がすごいですね。引き込まれました。これからも楽しみにしています。よかったらくっつく所までは続けていただけたら幸せです（●＾o＾●） (2014年7月1日 17時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
まどちね(プロフ) - ありがとうございます！！ (2014年7月1日 1時) (レス) id: 1241e6d3a9 (このIDを非表示/違反報告)
サムライ - 良いです！この話ヤバいです！面白いです！ (2014年6月30日 18時) (レス) id: 839df3a6dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどちね | 作成日時：2014年6月29日 0時
