４４ ・ 篤人 ページ46
篤人「・・・う、ん・・・。」
どこからか漂ってきた味噌汁の匂いに、目が覚める。
・・・あれ、こんなに家政婦さん来るの早いっけ・・・？
数十秒後、全てを理解する。
篤人「・・・そうだ。（人１）が飯作ってくれてんだ・・。」
いつもと違う味噌汁の匂いに、納得する。
フラフラと立ち上がり、リビングへ向かう。
篤人「・・・はよ・・・。」
ものすごく眠たくて、ものすごく小さい挨拶をする。
こんな小さな挨拶でも気付いたらしく、（人１）は俺の方を振り返ると、
（人１）「篤人、おはよ！！」
と元気に返してくれた。
・・・嬉しすぎて、頬が緩むだろ。ばか。
こういうのは、（人１）のせいにしておこう。
篤人「何、作ってんの・・・。」
（人１）「あ、分かんない？
お・み・そ・し・る(笑)！！」
何当たり前のこと聞いてくんの、と呆れた笑顔で答えてくれる。
篤人「・・・あ、そうっスか。」
俺はまだふらふらとした足取りで、ソファにボフっと倒れ込んだ。
（人１）「ちょっとー、篤人。また寝ないでよー。もう少しでご飯出来るんだから。」
篤人「・・・んー。」
：１分後：
（人１）「出来たー！ほら、篤人、ご飯！！」
篤人「んー。」
のろのろと椅子に座る。
テーブルに乗っていたのは、味噌汁や、白米、焼き魚だった。
篤人「・・・すげ。日本食だ・・・。」
（人１）「当然。つい一昨日まで日本にいた日本人が、ドイツの料理なんて作れません。」
毅然とした態度に苦笑い。
「「いただきます。」」
２人で手を合わせて。
口へ味噌汁を流し込む。
篤人「・・・美味い・・・。」
（人１）「でしょっ。母さんに教えてもらったんだ。」
嬉しそうに笑う（人１）は、新妻になったみたい。
照れたのを隠すように、
篤人「・・・今日から、仕事・・・？」
と聞いてみた。
（人１）「うん。」
篤人「・・・何で行くの・・・？」
（人１）「うーん、電車とかで適当に行こっかなー。」
篤人「・・・俺が、送ってあげてもいいけど・・・？」
（人１）「ほんと！？やった、電車代が浮いた！」
篤人「・・・あ、でも帰りは無理だよ・・・？
・・・午後から練習だから・・・。」
（人１）「おっけー！」
・・・小さくガッツポーズを作る君は、とてつもなく可愛かったってこと、
君、知ってる・・・？
わかんないか。
だって俺、照れ隠しに味噌汁飲んでたから。
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まどちね(プロフ) - ありがとうございます（泣） 絶対、読者様が満足してもらえるよう、頑張ります！ (2014年7月2日 7時) (
レス) id: 1241e6d3a9 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 面白かったです。中学生なんてびっくり。文章力がすごいですね。引き込まれました。これからも楽しみにしています。よかったらくっつく所までは続けていただけたら幸せです（●＾o＾●） (2014年7月1日 17時) (レス) id: 6fd6da2112 (このIDを非表示/違反報告)
まどちね(プロフ) - ありがとうございます！！ (2014年7月1日 1時) (レス) id: 1241e6d3a9 (このIDを非表示/違反報告)
サムライ - 良いです！この話ヤバいです！面白いです！ (2014年6月30日 18時) (レス) id: 839df3a6dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどちね | 作成日時：2014年6月29日 0時
